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2017年7月25日更新

値上がりも値下がりもしない、IWCアクアタイマーオートマティック 2000

このアクアタイマーの相場について、面白みがある点は「値下がり状態」でないという点です。

2005年前後に出た時計は、ロレックスでいえば6桁リファレンスに相当し、まさに今現行世代のモデルにあたります。

そして、2005年前後に出た時計の特徴として、デビュー当時の価格が高かったという点があります。

このアクアタイマーがデビューしたのは2004年ですから、通常であればデビュー5年後の2009年相場は高いはず。

しかし、その2009年において既に中古価格が23万9000円という状況にまで下がっていたため、現在と8年前を比べても値下がり状態とはなっていなかったのです。

42mm、チタン、2000m防水という性能かつラバーベルトを採用した近代的なデザインは、人気の腕時計として“ちょっと高い相場”となっていても不思議ではありませんが、このアクアタイマー2009年とほぼ同じ価格で購入可能

その頃23万円ではエクスプローラの114270が買えましたが、114720は現在40万円近く出さないと買うことができません。

定価においても、出た時期においてもエクスプローラより「高級」という印象のこのアクアタイマーですが、今の時期において、かなりお得に買うことができる1本なのです。

アクアタイマーの中で最も安い存在が実は2004年に出た新しめのモデルというのは、他のブランドではあまり無い事例です。

なお、安さの原因は不明。ラバーベルト仕様の時計は、そのベルトの痛み具合や交換費用の高さゆえに「相場が安くなる」ということがありますが、この時計の場合、まだラバーベルトの劣化が目立つ個体が少ない2009年の段階で既に安かったため、その例とは異なるのです。

さらに、デビューした2004年頃においては比較的人気があった模様であり、デザイン的にも不人気になるようにも感じません。

黄色の配色が不人気要素とも思えますが、このデザインは文字盤全体が黄色というように目立つ印象でもないため、大きな不人気要素にはならないと思います。

確かなことは、2009年の時点で既に定価より大幅に値下がりしており、他のIWCと同じように、その時点からほぼ相場が変わっていないという点。

値上がりをしない反面、値下がりもしない傾向というのは、お得に買うには良い選択といえます。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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