1999年から2003年まで存在したエルプリメロ搭載のパネライにはいくつかの限定モデルが存在しますが、その中でも最も高い傾向なのがこのAMGモデルです。
AMGモデルには、ステンレス&チタン+ブレスレットの108番とWG+革ベルトの105番の2種類が存在します。
高いのはWGの105番ですが、ステンレスの108番もかなり高い水準となっています。
PAM00108は現在、約170万円という水準なのですが、この価格帯のステンレスクロノグラフはそんなに多くありません。実際、三雲ブランド以外ではデイトナぐらいしかないでしょう。
パネライのクロノグラフは現行当時から、デイトナ16520と比較される存在でしが、通常モデルにおける最近の相場はデイトナとかけ離れている印象です。
けれども同じエルプリ搭載パネライの中でもAMGモデルだけはデイトナ16520に近い相場であるのです。
そのため、PAM00108は優秀なモデルにも見えます。
しかし、このモデルには難しい事情が存在。
それは、値動きが謎な傾向なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年10月 の安値(楽天) |
2018年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールクロノ PAM00108 |
中古 | 0年 4ヶ月 |
¥1,598,400 | ¥1,713,600 | 115,200 | 107.21% |
今回の値動きは値上がりとなりましたが、数多くの腕時計が高くなっている2017年10月は値下がり気味だったのです。
さらに2017年10月の150万円台という価格は、ここ10年間において最安値レベルともいえる水準です。
PAM00108という時計は、デイトナ16520が80万円台で購入可能だった2010年に198万円もしたのです。
198万円といえば、現在のデイトナ16520の価格という印象ですが、数多くの腕時計が安かった2010年においてその水準だったのです。
この108番というパネライは、他の時計が安い時期に高く、高い時期には安いという“謎な値動き”となる傾向があります。
今回は他の時計が値下がりとなっていない中、値上がりとなっているため「我が道を行く値動き」という表現がふさわしく思います。
また、このモデルはAMGとのコラボモデルですが、高級腕時計の傾向としては自動車ブランドとのコラボモデルは評価されない傾向があります。
例えば、IWCのAMGモデルは、『チタン、自社機械式ムーブ、ブレスレット』という人気要素があるにもかかわらず30万円台で購入可能ですし、パネライのフェラーリモデルもパネライ全体におけるボトム価格に位置する傾向があります。
けれども、このPAM00108だけは他の自動車コラボとは異なり、評価されている存在なのです。
よって、他の時計とは異なる値動きをするPAM00108というモデルは、なにかと興味深い対象だといえるでしょう。