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2016年12月17日更新

ロレックスデイトナ116506、高価格でも需要があるプラチナモデル

出た時期が2013年と最近かつその頃すでにロレックスが全体的に高くなり始めていた時期のため、このモデルの相場をつかむのは最近まで難しいように思えました。

しかし近頃、中古の流通が徐々に増えてきて、数が取引されるようになったため、やっと相場がつかみやすくなったのです。

そして出た結果が先程のように550万円前後という水準。

デイトナ+プラチナ+アイスブルーという組み合わせであれば、中古550万円というのはなんとなく理解できる数値です。

ちなみに、同じ価格で何が買えるかというとノーチラスのクロノグラフ(コンビモデル)といったところ。

価格だけ見ると高いと思ってしまいますが、相対的に見ると“なるほど”とも思います。

しかし、この価格帯になってくると、この時計を楽しめる人が限られるという悲しさがあります。

仮にこの時計が550万円で買って同じ額で売れるとしても、550万円分の現金を用意しなければならないため、購入するハードルはかなり高いと思います。

例えばステンレスのデイトナの場合、その価格は100万円ですから、頑張って貯金すればバイトの高校生でも買うことは可能でしょう。

確かにステンレスのデイトナも非常に高い高級時計として多くの人から憧れられる存在ですが、頑張ったら手が届く世界なのです。

一方このプラチナモデルの550万円という額は、高校生1年から大学3年ぐらいまでバイトして得たお金をすべて貯めるぐらいしないと集めることができません。都内在住、高校から大学までつながっている学校に在籍している人が高校1年の段階で、「あと5年ちょっと貯金してコレを買おう」と思わないと実現することはできません。しかし、そんな条件も環境も現実的ではありません

かつて、キムタクがドラマの中でエクスプローラ(14270)を着けたことから、プレミア価格となったことがあります。

その際、多くの人がロレックスに注目しロレックスブームがおこったのですが、なぜそれが可能だったかというと数十万円という額だったからです。

そして、このプラチナのデイトナロレックスブームのきっかけを作ったキムタクがまさにプライベートで着けている時計でもあるのですが、真似して買うのは困難です。

なお、バーインデックスがダイヤモンド仕様の116506Aは有名ユーチューバーのヒカキン氏が愛用。

通常、高級腕時計を着けていても、その選択をしたことに興味がいき、格好良ければ真似したくなったりします。しかし、この時計を着けている場合、『その選択をしたのだ』という参考にするより、単純に「稼いでるな」という印象になります。

通常文字盤とダイヤモンド仕様では、三つ目のフチが異なり、黒縁の116506に対してフチまでアイスブルーの116506A

この両者、定価だとその差額は60万円程度なのですが、並行品の新品実売価格だと80万円もダイヤモンド文字盤のほうが高い状況です。

116506のほうはそこそこ中古が流通しているのですが、ダイヤモンドの116506Aのほうは中古がほぼ流通していません。

2013年に登場した通常文字盤ですが、ダイヤモンドの116506Aが登場したのは翌年2014年です。

2013年のデビュー当初はデイトナ初のプラチナモデル+アイスブルー文字盤ということでかなりインパクトが強かったでしょうから多くの人に買われたため、結果として中古流通が多いのかもしれません。

また、このぐらいの価格帯の時計をデビュー当初に買う人の行動として、翌年2014年にダイヤモンド文字盤が出たことから、そっちに買い替えた結果116506の中古流通が多いという現象が起こっているという可能性もあります。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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