ゴールデンエリプスというモデルは、パテックフィリップ独特の世界観が詰まった魅力的なモデルです。
とはいえ、今現在においてゴールデンエリプスを評価する声は少なく、パテックフィリップのボトム価格に位置することが多い傾向です。
特に手巻きモデルは安価で、今でも50万円台で購入可能。
とはいえ、需要はきちんとあるため『手巻き+青文字盤+程度良い』という内容で50万円台だと比較的すぐ売れる様子です。
一方、自動巻モデルとなると50万円台ということはなく、おおよそ110万円以上という水準。
また、自動巻モデルは今でも現行として販売されており、特にローズゴールドやホワイトゴールドが高い状況です。とはいっても、最近中古はほぼ売られている様子がなく、現在どのような相場になっているかは不明。海外の売出し価格を見る限りでは、200万円近い水準といったところです。
そんな、ホワイトゴールド+自動巻という要素を備えるゴールデンエリプスでも、現在約110万円で売っているものが存在します。
それが、5028Gというモデルなのですが、1990年代に登場した異色のゴールデンエリプス。このモデルは10年以上前に生産終了となっています。
現行のホワイトゴールドモデルが3738/100Gなのですが、5028Gは何が違うのかというと、文字盤デザインとスモールセコンドありという点が異なります。
現行モデルも5028も同じくキャリバー240が搭載されているのですが、5028には240の特徴である4時位置のスモールセコンドが存在。
そして、文字盤デザインは同時期に存在していたカラトラバの5000Gによく似てます。
ですからこの5028Gというモデルは、5000Gのゴールデンエリプス版といった特殊なモデルなのです。
ただこの時計、マニアック過ぎて2016年まで90万円台という水準でした。自動巻ムーブメント搭載のパテックフィリップは、その多くが100万円以上という傾向がありますから、いかに安かったかが分かります。特にキャリバー240搭載モデルは100万円以下で売られている様子を見かけません。
そして、安い状況から1年たった今、5028Gはきちんと値上がりしています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年11月 の安値(楽天) |
2018年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ゴールデンエリプス 5028G |
中古 | 1年 2ヶ月 |
¥950,400 | ¥1,101,600 | 151,200 | 115.91% |
現行世代のゴールデンエリプスが海外で200万円近いというのは先の通りですが、同じく海外において5028Gは110万円程度という水準。
ですから、3738/100G-010より5028Gのほうが安いというのは世界共通な模様です。
なぜ、
という共通した要素を持ち、ケースサイズも同じである両者に価格差があるのでしょうか。
おそらく、ゴールデンエリプスにおいてサンレイ文字盤という要素が人気の要因なのかと感じます。
ノーチラスでも90年代に登場したマットタイプな黒文字盤より、艷やかな青文字盤の相場が高いように、ゴールデンエリプスも艷やかな文字盤に人気があるのでしょう。
自動巻ゴールデンエリプスは数が少なく、5028Gも1年に1度程度しか売り出されないほど数が少ないモデルです。
同じエリプスのWGと比べて安いだけでなく、自動巻パテックフィリップとしてもボトムラインに位置するこの時計。
ノーチラスに匹敵するといっても過言でない、ゴールデンエリプスの独特の世界観。それを安く手に入れる事ができるという魅力的なモデルだと思います。