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現在相場考察

現行3針青文字盤と同水準、パテックフィリップノーチラス5712/1A

2018年6月13日更新
パテックフィリップのノーチラス5712/1A-001について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年4月の安値(楽天)と2018年6月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この2ヶ月での変動は37万6000円の値上がりだった。

ノーチラス 5712/1A-001についての考察(2018年6月)

2017年からノーチラスはとても値上がりしているという状況ですが、その様子は3針モデルに限りません。

ノーチラスの現行モデルには、いくつかのコンプリケーションモデルが存在しますが、5712も3針に負けじと値上がり傾向な様子です。

2017年において、一番最初に目立った値動きを見せたのは現行3針モデルの5711/1A青文字盤ですが、それは3月頃において既に高くなっている様子でした。

対して、コンプリケーション5712/1Aが値動きし始めたのは2017年11月頃からの様子で、それまでは3針より安いという価格帯に位置していたのです。

特に3針モデルが高くなり始めた2017年3月においては、5711/1Aより本来高い価格帯に位置するはずの5712/1Aが安いという状況。

ノーチラス以外のモデルを見れば分かりやすいですが、パテックフィリップにおいて3針モデルがコンプリケーションより高いという状況は稀だといえます。

ただし、中古相場で値上がりするモデルというのは、本来の価格序列に影響されない場合もあり、かつてはエクスプローラー14270のようにエントリーに近いモデルが上級モデルより高かったということがあります。

そのような事例があるため、ノーチラス5711/1A青文字盤が高くなったからといって、5712/1Aが高くなるとは限らないとも思われました。

しかし、そんな5712/1Aは2017年11月の段階で変化の兆しを見せ、3針モデルである5711/1A青文字盤より高くなったのです。

2017年3月まで5712/1A360万円台だったのが、2017年11月時点で470万円台という価格帯に変化。

その後も5712/1A3針青文字盤に負けじと高くなり、2018年4月の段階では540万円という水準になっていたのです。

そして、2018年4月から2ヶ月しか経っていない6月現在、なんと5712/1Aはさらに約37万円高くなり、570万円台という価格帯まで上昇しています。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年4月
の安値(楽天)
2018年6月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
5712/1A-001
中古 0年
2ヶ月
¥5,400,000 ¥5,776,000 376,000 106.96%

現在、3針モデルの5711/1A-010は、この5712/1A-001とほぼ同価格帯に位置。

5712/1Aは約2ヶ月という短期間で30万円単位の値上がりとなっていますが、3針現行モデルと同価格帯に位置するという状況でもあります。

先のように、コンプリケーションモデルは3針モデルより高いのが常です。

ただし、現在のように人気かつ高値傾向という状況では、そのような価格序列を当てはめても仕方がないかもしれません。

とはいえ、2017年から5711/1Aのほうが高かったり、5712/1Aのほうが再度高くなったり、現在のように同価格帯というように変化しているため、5711/1A5712/1Aの相関は興味深いともいえます。

なお、2017年11月頃から5712/1Aが価格変動し始めた主な原因には、定価の変更が関係ある可能性があります。

そうすると、5711/1A-0105712/1A-001とでは、価格変動が起きているという様子は同じでも、その理由は異なることになり、今後どちらが強くなるのかやはり興味深いと感じるところだと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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