最近、ノーチラスの影に隠れてしまっている印象のアクアノート。
2000年代前半の段階では、“古臭い”ノーチラスに対して、“新しい”アクアノートといった感覚で、ノーチラスより実勢価格がやや高かったのですが、最近ではノーチラスとだいぶ異なる価格帯となってしまっていました。
しかし、そんなアクアノートに今、目立った異変が起こっています。
とはいっても、そういった変化を感じるのは一部モデルに限られるのですが、まさにそれに該当するのは「ラージ」という要素です。
5065/1Aは、今年の1月まで250万円台という水準で購入可能だったのですが、その後、急激に相場が上昇し、300万円以上という水準に到達。そうかと思っているうちにも、みるみる相場は上昇し、なんと現在では348万円になっているのです。
これは、同じ時代のノーチラス、3800/1Aに匹敵する水準であるため、やっとアクアノートがノーチラス並の評価となったといえるように感じます。
しかし、実はそうではありません。
現行当時、このアクアノート5065/1Aと似たキャラクターとされたのは、ノーチラスでもジャンボサイズの3710/1A。
3800/1Aと同じキャラクターなのは、ミディアムサイズの5066/1Aのほうなのです。
3710/1Aは、現在日本国内では売り出されていない様子ですが、海外では既に600万円以上(日本円換算)という水準に達しています。
そういったことを考慮すると、同じキャラクター性をもつ2本を比較した場合、やはり依然としてアクアノートとノーチラスの差は大きいとも感じます。
とはいえ、これまでアクアノートにおいて、これほど短期間で上昇するというような、目立った動きはなかったため、なかなかインパクトがあると思うのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年1月 の安値(楽天) |
2019年5月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
アクアノート 5065/1A |
中古 | 0年 4ヶ月 |
¥2,523,000 | ¥3,480,000 | 957,000 | 137.93% |
筆者は、アクアノートの5065/1Aもノーチラスの3710/1Aも所有していたことがありますが、いずれもこのような評価になっても不思議ではないと思い購入していました。
ただ、現在の水準より安い額で売ってしまったため、今となっては、売らなければ良かったとも感じます。
この時代のラージサイズは、現行当時から魅力を放っていたと思うのですが、その時期から20年近くが経った今、さらに適度なクラシカル感がプラスされ、魅力に拍車がかかっているように思います。
特にアクアノートの5065/1Aは、4桁ロレックス後期モデルのような魅力があると感じ、数も少ないことから、今後も“これが良い”と思う方が増えても不思議ではないでしょう。