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かつてより200万円以上の高値、パテックフィリップノーチラスパワーリザーブ3710/1A

この時計、なんでこんなに高くなったのでしょう。

高い理由は一つしかなく、需要に対して供給が極端に少ないということです。

しかし、なぜ人気になったのか。

これに人気がでかけた2000年代前半、アクアノートの5065/1Aとともに“ジャンボ/ラージ”サイズのノーチラス/アクアノートがヨーロッパで人気が出そうだと言われたりしました。

その頃の日本はというと、ロレックスブームが落ち着いて、パネライ人気に火が付いた頃。

SSブレスのPAM00050が、“サブマリーナorエクスプローラの次に買う時計”としてプレミア価格だった頃、まだまだノーチラスとアクアノートは不人気時計でした。

しかし、ロレックス⇒パネライ、となったように、パネライに飽きたユーザーが、その次に「もっと上」として三雲ブランドのスポーツモデルにいくことは容易に想像できました。

中でも、王者パテックフィリップの“ロレックス的モデル”はノーチラスとアクアノートしかありません。

で、中でも約38mmというジャンボサイズ/ラージサイズこそが、ロレックスと並べても所有満足感的にOKなモノ。

ということで、このサイズのスポーツパテックはその後一気に高値となったわけです。

アクアノートのラージサイズ(5065/1A)もこのノーチラスパワーリザーブも、そしてロレックスのスポーツモデルも所有した私としては、

  • 所有満足感
  • つけ心地
  • という点で、

    ノーチラス/アクアノートはロレックスのように“気楽に”使えない時計であることを知っています。。

    しかし、流通量の少ないこの時計。相場も高くなってしまったので、ロレックスのようにメジャーな時計ではありません。

    よって、実際ロレックスのように使えないってことは、はあまり知られていない事実。

    月曜日から金曜日まで毎日この時計1本だけで過ごすってのは、結構ツライものがあります。

    ですからノーチラスの場合、時計コレクションのうちの1本として1週間に1回使うか使わないかぐらいの使用頻度が調度良いですね。

    ロレックスと比べてノーチラスパワーリザーブはしていて疲れるので。。

    ま、300万円という高嶺クラスの時計になってしまったので、

  • 実用的でなく
  • たまに使う


  • っていうほうがこの時計のキャラに合っています。

    かつて、新品価格85万円だったこの時計。

    現在85万円では新品のGMTマスター(黒青ベゼル)も買えません。。

    しかし200万円から300万円という相場のほうが、使いづらさが逆に「希少性」「ありがたさ」という価値を助長し、よりこの時計を大切に思う要素になるのだと感じます。

    ●この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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