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現在相場考察

2015年より値下がりしている状況、パテックフィリップ5070J

2019年10月21日更新
パテックフィリップのについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2015年10月の安値(楽天)と2019年10月の安値(ヤフーショッピング)を比較し現在相場を考察。この4年0ヶ月での変動は48万4000円の値下がりだった。

クロノグラフ 5070J-001についての考察(2019年10月)

パテックフィリップといえば高いという印象がありますが、その中でも特に「高い」と感じるモデルは、時代によって異なると思います。

もちろん、いつの時代でも「最も高い」存在なのはミニッツリピーターといったグランドコンプリケーションであるわけですが、一般的な選択という印象があるモノの中で、「高い」という印象なのは、時代によって変化するといえるわけです。

現在、そういったポジションはどれかというと、もちろんノーチラスでしょう。しかし、十数年前までは、ノーチラスは最も安く買えるパテックフィリップという印象ですらあったわけで、「高いモデル」も「人気モデル」も普遍的ではないことが分かります。

では、ノーチラス以前に「高い」という存在感だったモデルは何だったかというと、クロノグラフの5070が当てはまると思います。

5070は、2000年前後という時代に現行モデルだったパテックフィリップのクロノグラフですが、パテックフィリップとしては珍しく、他社製ムーブメントを搭載しているモデルです。

今となっては、自社製のクロノグラフムーブメントはパテックフィリップで当たり前という印象ですが、実はその初搭載モデルは2006年に登場したノーチラス

また、それまでノーチラスにはクロノグラフモデルすらありませんでした。

デイトナスピードマスタープロフェッショナルがそうであるように、クロノグラフはそのブランドを象徴するほどの人気となる傾向があるといえますが、かつてノーチラスにはクロノグラフがなかったこともあって、2010年代前半まで5070を始めとするクロノグラフモデルは、「超高いパテックフィリップ」という印象だったと感じたわけです。

今となっては、クロノグラフに関してもノーチラス人気が高く、実際5890/1Aは1000万円以上という水準となっています。

そして、5070のほうは、どのような水準となっているかというと、こちらはなんと値下がり状態となっているのです。

それも、4年前の水準と比べて下落という状態であるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2015年10月
の安値(楽天)
2019年10月
の安値(ヤフーショッピング)
変動額 残価率
パテックフィリップ
クロノグラフ
5070J-001
中古 4年
0ヶ月
¥8,964,000 ¥8,480,000 -484,000 94.60%

この5070Jは、2000年代前半まで200万円程度で購入可能でしたが、2007年頃には既に500万円程度といった水準になっていたと記憶しています。

そして、2015年にはそれが900万円近い水準にまで上昇していたわけなのですが、このような価格変化は、かつてのデイトナポール・ニューマンと似ているとも感じました。

そうであるならば、今頃2000万円という水準でも不思議でなかったことになるわけですが、5070Jはそういった価格になることはなく、むしろ2015年より値下がりしている状況であるのです。

見た目的にも内容的にも人気度の高い5070というモデルは、2015年頃まで値上がりし続けていましたが、2015年⇒2019年では値下がり状態。

ノーチラスの場合、2015年⇒2019年では数百万円単位の上昇となっているのにかかわらず、5070は値下がり傾向ですから、かつての「高いモデル」という印象からすると、5070Jは、今、不思議とお得感を感じてしまう状況だと感じてしまいます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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