5桁世代の頃、エントリークラスを担うのはエアキングで、オイスターパーペチュアルのラインナップはコンビ以上だったという時代がありました。
オイスターパーペチュアルでも「デイト」となるとステンレスがあったのに、なぜだかノンデイトにはステンレスが存在していなかったのです。その理由として大きかったのはエアキングとの差がないということだったのかもしれません。
6桁世代となった2007年以降、オイスターパーペチュアルにもステンレスが用意されましたが、実際当時のそれはエアキングとの区別が分かりづらかったといえます。
そして、2014年頃からはエアキング表記が文字盤から消え、オイスターパーペチュアルに同化するといったことになってしまいました。
2016年にエアキングは電撃復活し、その内容はスポーツ系へと変化。再びエアキングとオイスターパーペチュアルのキャラクターがはっきりしたわけで、結局5桁時代の棲み分けは正しかったということになるでしょう。
そんな5桁世代のオイスターパーペチュアル14203は、現行当時、エクスプローラーのコンビバージョンといった扱いを受ける印象もあり、雑誌などでは、エクスプローラーと並べられていた様子も目にしています。
そういった経緯もあり、筆者はこの14203とエクスプローラー14270、114270の相場を比べるのが好きなのですが、ここ5年の相場はエクスプローラーのほうがやや高いか同水準という印象です。
しかし2018年10月、14203は『40万円台前半⇒後半』という変動をしたことにより、エクスプローラー14270、114270より高い序列へと変化しました。
そうかと思ったら、それから1年少しが経過した今、再びエクスプローラーより安い水準に戻ってしまっている様子となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年10月 の安値(楽天) |
2020年1月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
エクスプローラー オイスターパーペチュアル グレー文字盤 14203 |
中古 | 1年 3ヶ月 |
¥499,800 | ¥478,000 | -21,800 | 95.64% |
14203には、いくつかの文字盤ラインナップがありますが、このグレー文字盤は「3・6・9」のアラビアインデックスが採用されていることから、どことなくエクスプローラーのコンビバージョンといった雰囲気があります。
文字盤色は、14270と異なるものの、サブマリーナ16613SGのように、グレー文字盤=コンビ以上専用色といったイメージがあるため、エクスプローラーの上級モデルと感じてしまいます。
実際、オイスターパーペチュアルよりエクスプローラーのほうが上級シリーズであるといえますが、コンビとSSといった比較ではコンビのほうが上。そういった意味では、14203は14270より高級といえるわけで、14270より高くなった2018年10月水準は納得だったのです。
けれども、2018年10月以降、エクスプローラーは50万円台という水準にまで上昇したのとは逆に、14203はやや値下がりという状況。一時期評価されたと思ったら、再び元の価格序列に戻ってしまった様子であります。