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現在相場考察

約35万円という水準、ルミノールベースPAM00112

2020年1月24日更新
オフィチーネパネライのPAM00112について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年9月の安値(楽天)と2020年1月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この2年4ヶ月での変動は7万円の値下がりだった。

ルミノールベース PAM00112についての考察(2020年1月)

パネライの最もシンプルなモデルであるルミノールベース。そのシンプルさは、パネライの世界観を凝縮しているようにも見え、パネライを代表する人気モデルの1つという印象があります。

そういった印象は、特に2000年代前半といった時代に強かったといえるのですが、なぜならその時期、ルミノールベースはプレミア価格になるほどの状態だったからです。

ルミノールベースは2002年、2番から112番へとモデルチェンジしましたが、これは裏蓋が「通常⇒裏スケ」となった変化に伴うものでした。

ちょうどその時期、ロレックスエクスプローラー14270114270へと変更されましたが、両者のモデルチェンジは似たような印象。14270PAM00002は生産終了となったため高く、114270PAM00112は出たばかりだったため高かったといった感覚でした。

2002年頃といえば、エクスプローラー人気がとても高かった時代ですが、14270は今の116710BLNRのようなポジションだったといえます。

それに対して、このルミノールベースは、「エクスプローラーの次に買う」といった感覚でユーザーに認知されていたと思います。

ルミノールベースとエクスプローラーは、ともにシンプルなモデルです。また、「最も廉価なモデルだけど、入手困難」というレアさが共通していたため、同じようなポジションとして認知されていたといえます。

しかし、今となってはどちらも特に人気といった感覚はなく、その相場も他モデルと比べて抜きん出て高いというわけではなくなっています。

とはいえ、エクスプローラーに関しては、2019年に50万円台という水準になるなど、他のスポーツモデルと比べると地味ながらも着実に値上がりしている様子があります。

それに対して、パネライのルミノールベースは、値下がり傾向となってしまっている状態。112番の現在水準は約35万円といったところなのですが、これは近年の112番の印象からすると「かなり安くなった」という感覚になります。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年9月
の安値(楽天)
2020年1月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ルミノールベース
PAM00112
中古 2年
4ヶ月
¥428,000 ¥358,000 -70,000 83.64%

ルミノールベースの黒文字盤には、いくつかのモデルがありますが、この112番はアベノミクス以降、安いときでも30万円台後半という印象がありました。

それに対して、今の水準は約35万円ですから、目立って安いと感じるのです。

実際2017年9月水準は約42万円だったわけですが、それと比べて7万円という値下がり状態となっているのです。

実は、112番においてこういった水準は以前から見られたのですが、その際なぜ記事にしなかったかというと、相場として捉えるかどうかの判断がしづらかったからです。

これまでの様子では、112番に35万円程度の個体があった場合、「1つだけ35万円、他は40万円以上」といったような分布となっていたため、分かりづらかったわけです。

しかし、今では35万円付近の112番は複数ある状況であるため、そういった水準だと捉えることができると思うのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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