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現在相場考察

手巻きエリプスが上昇傾向、ゴールデンエリプス3848G

2020年3月19日更新
パテックフィリップのゴールデンエリプスについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年2月の安値(楽天)と2020年3月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この3年1ヶ月での変動は23万2000円の値上がりだった。

ゴールデンエリプス 3848Gについての考察(2020年3月)

2017年3月の段階で、異常なほど安い価格帯のパテックフィリップといえたのが、このゴールデンエリプスです。

「異常なほど安い」といってもゴールデンエリプスには、いくつかの種類があり、一見同じように見えても、実は価格帯に大きな影響を及ぼす要素があります。

それこそが、“手巻き”“自動巻”かという点なのですが、安いほうが手巻きという要素。2017年3月当時、自動巻は100万円以上という水準でしたが、手巻きだと50万円台で購入可能だったのです。

その当時、筆者はこのゴールデンエリプスに注目しており、2016年冬頃から積極的にチェックしていました。

エリプスには、代表的な青文字盤の他にも白文字盤などがありますが、当時の様子では手巻きメンズモデルはおおよそ50万円台だったといえます。

ちなみに、その頃、パテックフィリップで「安価」と感じる水準は80万円台ぐらいだったわけで、エリプスは異常なほど安いと感じたわけです。

さて、そんなエリプスの手巻きモデルですが、2017年以降、徐々に数が減り始め、ここ数ヶ月の様子は、3年前と比べて高くなったと感じる水準に変化しつつあると思います。

そして、興味深いのは、売り切れとなるスピードが早いという点。2016年の段階だと50万円台という価格でも数カ月間に渡って「買える状態」となっていた個体がありましたが、今では、出たと思ったら、早い段階で売り切れとなっている個体も珍しくないわけです。

ただ、そのようなモデルは、YGがほとんど。以前とは異なり、ホワイトゴールドは見かける機会が少なくなりました。

そして今、WGの手巻きゴールデンエリプスが久々に登場しているのですが、その水準はどのような様子となっているのかというと、なんと80万円台

3年前と比較して、20万円以上の上昇となっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年2月
の安値(楽天)
2020年3月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ゴールデンエリプス
3848G
中古 3年
1ヶ月
¥598,000 ¥830,000 232,000 138.80%

3年前の記事で取り上げた手巻きエリプスが、まさにこの「WG 青文字盤」という組み合わせでしたが、それ以来あまり見かけることがなく、久々に出現したと感じます。

このWGの青文字盤は、配色的にはプラチナモデルと同様。

そういった配色だけでなく、ゴールデンエリプスの青文字盤は、文字盤プレートがK18でできているという特徴もあります。

ですから、この青文字盤WGモデルは何かと魅力的だといえ、50万円台⇒80万円台という変化も納得です。

しかし、エリプスという時計は、これまで「単なる不人気モデル」という印象が強かったともいえるため、今のような評価となることを想像できた方はあまりいないでしょう。

実際、2010年の段階では30万円台といった評価だったわけで、パテックフィリップらしからぬ価格帯に長年位置していたという印象です。

とはいえ、今の80万円台となった今でも、パテックフィリップとしては、依然「最も安い」といえる価格帯であるわけで、まだまだお得感があるという側面もあります。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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