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最も入りやすいアンティーク、エクスプローラ1016

というのも、ロレックスの場合、生産終了からある一定期間の年数を経過すると正規メンテナンスが受けられなくなってしまいます。

ということは、その時計が本物かどうか証明するのが非常に難しいということ。

特にアンティークと呼ばれるロレックスの場合、本物でも文字盤の改造していたりする場合やパーツの一部にニセモノ部品が使われているなど、結構なリスクがつきものです。

かつては「信用できるショップで購入」というのが最も良いアンティークの買い方、等と言われた時期もありましたが、それだと「どこが信用できるショップなのか」という疑問が残ります。

でもって、一番簡単な本物証明の方法として「過去の正規メンテナンス履歴」が重要なわけです。

例えば、5桁リファレンスのロレックスにおいて過去のオーバーホール履歴等々は価格に対してそれほど大きなインパクトを与えません

しかし、4桁リファレンスの場合「メンテナンスされたか」という観点ではなく、「それが本物かどうか」という本物証明としてオーバーホールなりパーツ交換なりの明細書が価値を決定づける根拠となるわけです。

当然、この場合の証明書は日本ロレックスが発行した証明書である必要があります。

筆者もかつてサブマリーナの1680を所有していたのですが、「受け付けてもらえるうちにしておこう」と思い不具合が無いのにもかかわらず郵船ビルの日本ロレックスまで足を運び、オーバーホールしたことがあります。

ちなみに、その時の金額は5万2000円ほどでした。

普通の時計だったら不具合が無いので高い金額を出してオーバーホールしてしまうと余計な出費となるとこですが、その5万2000円は必要経費です。

というのもそれがあることによってずっと「本物である」という証明になるから。

ということで、通常の高級腕時計において、

 

  • オーバーホール履歴(修理履歴)
  • 保障書の有無

 

は価値に大きなインパクトを与えないのですが、4桁リファレンスのロレックスだけは別なのです。

そんな4桁リファレンスの“アンティーク”ですが、4桁といっても古くは50年代、最も新しいモノは80年代後半と約30年ほどの差があったりします。(オーバーホールの可否はムーブメントに帰属するっていう話もあります)

古くなればなるほど難易度が高く、例えば1960年代に製造された「赤サブ」なんかは上級者向きといってよいでしょう。

デイトナとともに最も有名かつ元祖プレミア価格のエクスプローラ1の場合、1980年代製造の個体も多々あり、場合によっては今でも正規オーバーホールが可能かもしれません。

そんなわけで比較的「日本ロレックスの正規オーバーホール証明書付き」の個体が多い1016

旧サイト「腕時計投資を考えるブログbyAmeba」においても一度65万8000円のモノを取り上げたのですが、その頃よりだいぶ値上がりしました。

なお、上記1016は旧相場のモノ、今売られているモノ、ともに日本ロレックスオーバーホール証明付きです。

通称アンティークの4桁リファレンスロレックスは”本物証明”に注意が必要ですが、それさえ間違えなければ1016を楽しんで50万円以上の値上がりという事例です。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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