2005年前後から、雲上ブランドのスポーツモデルが人気という様子となってきましたが、その時代以降、ラインナップも増えた傾向があるといえます。
特にそのようなことがいえるのはノーチラスですが、2005年より前の段階ではコンプリケーションモデルが存在しなかった一方、今ではクロノグラフや永久カレンダーまでラインナップされているわけです。
そういったことから、雲上スポーツには「なんでもある」という印象になるわけですが、実は「あまりない」要素があります。
それが「チタン」であるのですが、意外にもチタン素材を採用する雲上スポーツは少ないのです。
2000年代ぐらいからチタン素材の高級腕時計は徐々に市民権を得たように感じるため、ノーチラスのコンプリケーションが増えたのと同じタイミングで「チタンモデル」が雲上スポーツでメジャーになったも不思議でなかったと感じます。
けれども、現在でも「チタン」を採用する雲上スポーツはロイヤルオークだけといったところ。
オーバーシーズにもチタン素材が採用されたモノがありますが、そちらはチタンベゼル。オールチタンではないのです。
ロイヤルオークといえば、雲上スポーツの元祖ですが、1980年代の段階から永久カレンダーをラインナップするなど、何かと先駆者という傾向があります。
そして、ロイヤルオークにチタンモデルが登場したのも1990年代。この際、オフショアにラインナップされたのですが、「オフショア」というセカンドラインの導入も先駆者(と同時に唯一)であります。
チタン素材の腕時計は、
といった特徴がありますが、高級腕時計としては「新素材」といった感覚でコレクション性の高い1本だという見方もできます。
そういった意味では、ロイヤルオークのチタンモデルは、「雲上チタンスポーツ」というレアキャラクターであるため、コレクションの中に加えたらそれなりにグッと来るとも感じます。
ましてこの25721TIは、2016年8月と2020年8月現在との比較で、変動額が10万円という状況。
2016年から現在までにかけて、ロイヤルオークの3針モデルは随分高くなった印象がありますが、このチタンのオフショアに関しては、大きく変わっていないのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年8月 の安値 |
2020年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
オーデマピゲ
ロイヤルオーク オフショア クロノグラフ 25721TI.OO.1000TI.06.A |
中古 | 4年 0ヶ月 |
¥1,880,000 | ¥1,980,000 | 100,000 | 105.32% |
以上のことから、この25721TIは、チタン枠としてコレクションに加えやすい状況だと感じます。
チタンモデルは通常、同じラインナップのSSよりも割高といった傾向が珍しくないため、「割高」な印象があって手を出しづらいイメージがあるといえます。
実際、この25721TIは2016年の段階では15400STなどよりも随分高い価格序列だったわけです。
今では、3針人気の高いロイヤルオークですが、2017年頃まではオフショアのほうが高い傾向がありました。まして、チタンなど特殊素材のモデルとなるとより高い印象があったわけです。
ちなみに銀文字盤の15400ST.OO.1220ST.02は2016年10月において約127万円だったわけで、この25721TIよりも60万円ほど安かったのです。
しかし今では15400ST.OO.1220ST.02は260万円以上という水準。一方このオフショアは198万円で購入可能であるのです。
というわけで、この25721TI.OO.1000TI.06.A、2016年の段階では「高いロイヤルオーク」という印象だったのが、今では「お得感がある」に変化したわけで、チタンという特徴とともに、検討する楽しさがある1本だと思います。