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現在相場考察

新作発表後の青文字盤の様子、ノーチラス5711/1A-010

2021年4月17日更新
パテックフィリップのノーチラス5711/1A-010について斉藤由貴生が執筆。本記事では2021年2月の安値と2021年4月の安値を比較し現在相場を考察。この2ヶ月での変動は34万8000円の値上がりだった。

ノーチラス 5711/1A-010についての考察(2021年4月)

今年、ついに新作が発表された3針ノーチラス。今回の新作発表が行われる前の段階で、この青文字盤が生産終了となったことが発覚していたため、新作発表では「5711の新世代が登場するのではないか」と推測することができたでしょう。

しかしながら、今回発表されたのは、なんと「緑文字盤」の5711/1Aという存在。この変化により、SS3針ノーチラスの現行モデルは「緑文字盤のみ」(メンズサイズ)となったわけですが、このような事態は異例だといえます。

デビュー時から青文字盤がメインというノーチラスですが、90年代後半に「黒文字盤をメイン」とした際も、青文字盤の生産終了をしなかったわけです。

そういった意味では、青文字盤がラインナップされていないという状態の今は、特殊な時期だといえるでしょう。

ちなみに、こういった「デビュー当初からのメインカラーを廃止する」という文脈は、先にゴールデンリプスが実施。

ゴールデンリプスもノーチラス同様、青文字盤がメインカラーでありますが、デビュー当初からメインモデルとして存在していた「YGの青文字盤」を2018年で生産終了。

YGの後継モデルは登場せず、その際発表されたのは、ゴールデンリプスとして、初の黒サンレイ文字盤(おそらく)を採用した5738R-001だったわけです。

そういった意味では、今回の緑文字盤ノーチラスも、まさにゴールデンリプスの5738R-001に似た存在だといえるわけですが、エリプスの事例を考慮すると、青文字盤ノーチラスの復活は、今後しばらく無いと推測することができます。

さて、そうなると「青文字盤のノーチラス」というレア感が以前よりもさらに増すわけですが、緑文字盤が発表された後の相場はどういった様子なのでしょう。

5711/1A-010は、2021年2月⇒4月で約34万円の上昇という様子であるため、緑文字盤発表後に「すごく上昇した」というわけではない様子です。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2021年2月
の安値
2021年4月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
5711/1A-010
中古 0年
2ヶ月
¥14,850,000 ¥15,198,000 348,000 102.34%

生産終了が明らかになった2月という段階で、すでに1400万円台にまで上昇していたため、それ以上に派手な上昇をすることがなかった、といえる反面、新作発表で「青文字盤」がラインナップされなかったということがプラス材料として評価されていないのは、「なぜ」なのだろうとも思います。

例えば、今回の新作発表で、新しい青文字盤が登場したならば、現在のような値動きは理解できます。

しかし、「青文字盤が完全にラインナップから姿を消した」ということが発覚したわけですから、青文字盤に対するレアイメージは、以前よりも強くなったと思うのです。

ただ、緑文字盤の新作は、ノーチラスとしては前代未聞であるわけで、ユーザー心理としては、青文字盤よりも緑文字盤のほうが欲しいという心理になるのかもしれません。

緑文字盤が流通し、その相場が分かるのはまだ先でありますが、その際、この青文字盤がどういった価格序列となるのかが興味深いといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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