腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」

2015年水準超え、デイデイト118209銀文字盤

実は、この118209銀文字盤、2015年8月のボトム価格は、なんと208万円という水準だったのです。

2015年の段階で200万円以上だったということに驚くわけですが、その後は150万円台といった状況が長らく続いていたため、「200万円以上だった」ということは忘れられていたことでしょう。

ちなみに、「2015年頃高かったのに、その後下落、2021年に最近2015年水準超え」という変遷をたどったモデルは、この118209の他にも存在。ランゲ&ゾーネランゲ1や、パテックフィリップコンプリケーション5055などがそれに該当するといえます。

近頃、なぜそういった現象が起こっているのかは不明ですが、なんとなくこれまでよりも「全体的に高くなる」という傾向があるように感じます。

昨今の上昇トレンドの始まりは2017年だといえますが、2015年頃までと2017年頃からの値動きの大きな違いは「動くモデル」と「動かないモデル」が分かれるといった傾向があったといえます。

しかし、今年2021年からは、これまで動かなかったモデルも動くようになりつつあるため、徐々に2015年までのように、「全体的に高くなる」といった傾向が戻ってきつつあるのかもしれません。

実際、このデイデイト118209銀文字盤は、2015年8月水準が208万円だったのに対し、2016年8月水準は約144万円に下落。その後、2017年7月には約154万円に回復するものの、2015年8月水準には程遠いといった状況でした。

そして、2020年2月になっても、この118209銀文字盤は約164万円という水準だったわけで、依然として160万円台という価格帯に位置していたわけです。

それが今回、この118209銀文字盤は、218万円にまで上昇したことにより、ようやく2015年8月の208万円を上回ったということになるのです。

118209は、2020年2月⇒2021年6月で約53万円の上昇という値動きですから、K18モデルの目立った上昇事例の1つと感じられるでしょう。

しかしながら、2015年8月水準は208万円だったということを考慮すると、「かなり上がった」と感じる現在水準でも、実は2015年から10万円程度しか上がっていないとも読み解くことができるといえます。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

1 2
- PR -