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2021年9月14日更新

阿部泰治のパテック論 ~第75回~ パーペチュアルカレンダー クロノグラフ 18KRG 「Ref.5970R-001」

みなさん、こんにちは。

本日は私の大好きな待望モデル【パテックフィリップ】パーペチュアルカレンダー クロノグラフ「Ref.5970R-001」が入荷しましたので、ご紹介していきたいと思います。当店ではPlatinum(プラチナ)ケース仕様を過去に2本ほど販売した実績がございますが、今回のケース素材18KRG(ローズゴールド)は初めての取り扱いとなります。

是非最後までお楽しみください。

【目次】
◆ パーペチュアルカレンダー クロノグラフ 18KRG 「Ref.5970R-001」
◆ まとめ

パーペチュアルカレンダー クロノグラフ 18KRG
「Ref.5970R-001」

1986年から2004年まで製造された「Ref.3970」の後継機として、2004年のバーゼルワールドで発表された「Ref.5970」

【系譜】
2004年:18KWG(ホワイトゴールド)仕様・18KRG(ローズゴールド)仕様
2008年:18KYG(イエローゴールド)仕様

2009年:Platinum(プラチナ)仕様 *黒文字盤
登場年からすると、18KWG(ホワイトゴールド)と18KRG(ローズゴールド)が多いのでは?と思いがちですが、そもそも生産期間が2004年から2009年までと言われており、「Ref.3970」の生産期間と比較しても1/4程度。流通個体は圧倒的に少ないです。

今回、さすが【パテックフィリップ】と思わせる点が、ケース素材によってダイヤル(文字盤)の色味を変えているところです。18KWG(ホワイトゴールド)はグレーが強いシルバー文字盤、18KRG(ローズゴールド)はややグレーがかったシルバー文字盤、18KYG(イエローゴールド)はホワイトがかったシルバー文字盤、Platinum(プラチナ)は差別化された黒文字盤。それぞれがそれぞれに趣きがあり、甲乙付け難い良さを持っております。

こちらの「Ref.5970R-001」は、ケース、針、インデックスのローズゴールドがアクセントとなっている為、とても柔らかく暖かみがある印象です。

また、「Ref.5970」は見た目も含め”完璧”と言えるデザインとなっております。それもそのはず、歴代のパーペチュアルカレンダー・クロノグラフの良いところを盛り込んで作っていると言われているからです。

まずは文字盤外周部分に配されているタキメータースケール。「Ref.1518」・「Ref.2499」の1stモデル、2ndモデルに見られるデザインを踏襲しています。

続いてクロノグラフのスタート/ストップ、リセットのプッシュボタン。こちらも初代パーペチュアルカレンダー「Ref.1518」、2代目「Ref.2499」の1stモデルに採用され人気だった、角形へと変更。

また、ケース径が「Ref.3970」が36mmであったのに対して、「Ref.5970」は40mmへとサイズアップされております。40mm前後のケースサイズは、バランス、着用感を含め使い勝手が非常に良いと思います。抜群のオーラを放つ時計でありながら、嫌味がないところは、これまた流石【パテックフィリップ!】の一言に尽きます。

スケルトンバックから眺めることが出来るムーブメント「Cal.27-70 Q」は、見ていて美しいのは言うまでもなく、1万8000振動/時の振動数で安定した精度を誇り、約60時間のパワーリザーブを有しています。私もこれまでに、このムーブメントを相当数見てきていますが、とにかく精度がいい!という印象が強いです。

残念ながら保証書は付属しておりませんが、保証書類を納めるレザー調のパスケースを入れる紙製の封筒にもリファレンス、この時計のムーブ/ケース番号の記載が入っております。

内箱は年代に応じた傷みが見られ、中央部分の時計をセットする枕はありませんが、裏蓋と調整ピンがセット出来る仕様となっており、時計と整合性が取れる箱がしっかりと付いております。「Ref.5970」の写真が写ってる冊子が付属している点も、このクラスの時計になると重要なポイントです。また、納品時に時計が納められているスリーブケースも付属し、ムーブ/ケース番号の記載が入っているシールが付いており、充実した付属品内容といえます。

さらには、販売当初の【パテックフィリップ】のプライスタグも付き、調整ピン、クローズドの裏蓋と共に未開封のままです。

肝心な時計本体の状態ですが、着用による細かなスレや小キズはありますが、過去にポリッシュ仕上げを入れていないと思われる、しっかりとしたケースで印象の良い個体です。来歴を伺うとワンオーナー品であると思われ、納得の状態、そして充実の付属品であります。コレクションにも最適ですね。

気になるコミットでの販売価格ですが、17,985,000円(税込)

最近はレマニアベースのムーブメントを搭載している時計の評価も上がっており、それに伴い販売価格も上がってきております。今後が楽しみな1本であると思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

前回ご紹介したミレニアムウォッチである『10デイズ』「Ref.5100」同様、自分でも着けたいモデルの1つであります。価格は別として、これからだんだん涼しくなり、革ベルトの時計が着けたくなる時期ですね。(笑)

時計好きが愛してやまない、【パテックフィリップ】のパーペチュアルカレンダー クロノグラフ搭載モデル「Ref.5970R-001」

自信をもっておススメ出来る1本です。

このような状況下ではございますが、ご興味ある方は、是非とも一度実物を見にいらして下さい。また、何か気になることがございましたら、お電話でもメールでもお気軽にご連絡お待ちしております。

今後も、パテックフィリップ論を楽しみに思っていただけるよう精進していきます。

では、また!

●この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。

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