4桁世代のスポーツロレックスは、「アンティーク」と呼ばれていますが、こう呼ばれるようになったのは1990年代後半だったといえます。
その時期、これら「アンティーク」は、憧れのモデルといった感覚で、いつかは手に入れたい1本というキャラクタでした。
そのため、相場もすごく高いという印象だったわけですが、ここ数年の様子からは、かつての面影があまりないといえます。
とはいえ、そんな「アンティーク」の中でも、一部モデルに関しては、既に「かつての感覚からすると安価」という状況を脱している様子。具体的には、エクスプローラー1016や、サブマリーナ5512などが近頃値動きしているわけです。
しかし、そういった「アンティーク」の中で、あまり値動きしていないと感じられるモデルも存在します。
それこそが、シードゥエラーの1665なのですが、今回お伝えするのは、そんな1665の中でも“赤シード”のほう。
この「赤」は、文字盤のシードゥエラー表記が赤い文字で書かれていることを示しているのですが、これが90年代後半といった時代から高い評価となっているわけです。
その評価の中心は、サブマリーナの「赤サブ」のほうでしたが、それより更に凄いといった感覚なのが、まさにこの「赤シード」。ですから、赤シードという存在には、かなり高い価格帯に位置する腕時計という印象があります。
実際、2017年3月の段階で、この1665赤シードは、328万円という水準でしたが、「さすがは赤シード」という感覚でした。ちなみに、その当時、ノーチラス5711/1A-010は、約379万円でしたが、どちらも「高い」という印象だったといえます。
しかし、2017年以降は、多くの腕時計が値上がり。特に、人気モデルは軒並み上昇した結果、今では2017年水準とはかけ離れている状態のモデルが多いわけです。
実際、2017年4月に370万円台だった5711/1A-010は、現在では1200万円以上という状態。他の人気モデルを見ても、2017年に300万円台という水準だった腕時計は、かなり高くなっていても不思議でないといえます。
けれども、この赤シードの現在水準は、なんと428万円という状況。
2017年水準から100万円の上昇となっているため、「値動きしていない」というわけではありませんが、2017年⇒2021年の比較、及び、他の人気モデルと比べると弱い値動きだといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年3月 の安値 |
2021年10月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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ロレックス
シードゥエラー “赤シード” 1665 |
中古 | 4年 7ヶ月 |
¥3,280,000 | ¥4,280,000 | 1,000,000 | 130.49% |
なお、通常のシードゥエラー(白シード)のほうも、2018年水準からあまり変わっていない様子。
1665(白)の2018年12月水準(日本ロレックス明細あり)は、218万円でしたが、現在水準(明細なし)は、236万円です。
ですから、筆者としては、今、4桁シードゥエラーが、意外に「お得」という要素がある状況だと感じているのです。