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現在相場考察

変化の兆しが見られる状態、マスタージオグラフィーク142.8.92

2022年4月11日更新
ジャガールクルトのマスタージオグラフィーク142.8.92について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年7月の安値と2022年4月の安値を比較し現在相場を考察。この1年9ヶ月での変動は31万220円の値上がりだった。

マスタージオグラフィーク 142.8.92についての考察(2022年4月)

マニュファクチュールでコンプリケーションというジャガールクルトマスタージオグラフィークは、2010年代前半頃まで、5桁ロレックスよりも高い価格帯といった印象でした。

実際、5桁が現行だった2000年代前半、この142.8.92水準は、当時のロイヤルオーク14790STと同じといったところ。デイトナを除くSSロレックスよりも高く、いわゆる「贅沢な選択」といった感覚があったわけです。

けれども、2010年代後半になると、142.8.92の中古相場における立ち位置は「そこまで高くない」という状態に変化。多くの腕時計が上昇するなか、この142.8.92あまり値動きしない傾向が続いていたため、他に抜かされてしまったのです。

実際2020年になってもこの142.8.92は、50万円台で購入可能だったわけですが、「マニュファクチュールのコンプリケーションモデル」という観点からすると、バーゲンプライスといった印象になります。

当時ももちろん、そのような相場である142.8.92『お得なモデル』として取り上げたのですが、それからもしばらく142.8.92は目立った変化がない状況でした。

しかしながら、2022年の今、ようやく142.8.92変化の兆しが見られる状態となっています。

142.8.92は、現在86万円となっているのですが、これは2020年7月水準に対して、約31万円の上昇であります。

本記事で参考とした中古腕時計

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【JaegerLeCoultre/ジャガールクルト】142.840.922B 142.8.92 マスタージオグラフィーク ホワイト文字盤 腕時計【中古】/29637/10013861

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年7月
の安値
2022年4月
の安値
変動額 残価率
ジャガールクルト
マスタージオグラフィーク
142.8.92
中古 1年
9ヶ月
¥549,780 ¥860,000 310,220 156.43%

見た目の格好良さといい、マニュファクチュールのコンプリケーションといった中身といい、この142.8.92抜かり無いモデルだと思いますが、そうであるにも関わらず、これまであまり相場が変わらなかったわけです。

今回、ようやく142.8.92は、50万円台⇒80万円台という変化を見せたわけですが、値動きするのが遅かった結果、これでもまだ、2000年代に142.8.92よりも安価だった5桁ロレックス水準には届きません。

30万円単位の上昇といった値動きは、142.8.92の相場を長期にわたって追っている筆者としても「前代未聞」なほど“すごい”と感じる反面、まだ他と比べると相対的に高くないという側面が142.8.92にはあります。そういった意味でも、今後142.8.92がどういった評価になっていくか興味深いと感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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