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現在相場考察

エクスプローラより複数買いのメリットが大きかったかもしれない、ロレックス「サブマリーナ」16610

2016年8月28日更新
ロレックスのサブマリーナー16610について斉藤由貴生が執筆。本記事では2010年10月の安値(ヤフオク)と2016年8月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この5年10ヶ月での変動は21万6000円の値上がりだった。

サブマリーナ 16610についての考察(2016年8月)

腕時計の王者と言わているのはデイトナですが、販売本数の王者はサブマリーナ(16610なのではないかというほど5桁リファレンス時代のロレックスを象徴する16610。販売本数も流通本数もかなり多い16610。しかし、これだけ売れているといくら時計本体が良いモノだったとしても需要>供給となるのが難しそう。ということで、値上がりは難しいのではないかと思うのは普通のことだと思います。

ロレックス サブマリーナー 16610(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2010年10月
の安値(ヤフオク)
2016年8月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
サブマリーナ
16610
中古 5年
10ヶ月
¥270,000 ¥486,000 216,000 180.00%

しかし、それが20万円以上の値上がり

これだけ本数の多い時計で、この値上がり額です。

これぞ、まさに高級腕時計の強さを象徴しています。

16610、本数が多いだけに気に入ったのがあったからといって買いそこねても“また次”がすぐあるという腕時計。

例えば流通本数が少ない16613SG(ダイヤ付きコンビモデル)とかだと、

  • 価格
  • 年式における仕様違い
  • 程度や付属品
  • など自分の好みに合う条件を満たすものがあったならば、それと同じ条件のモノに巡り会える確率は低いと思います。

    一方、16610本数が多いため、例えば2000年製のP番がいいなどといったマニアックな条件を満たすのも容易。

    ということで『取り換え可能』なのが16610なのです。

    エクスプローラもかなり本数が多いですが、エクスプローラの場合、現行だった頃はプレミア価格状態だったことから『ものすごく値上がる』ということの前例はすでにあったこと。

    一方このサブマリーナ、値動きがあったのは当然ですが、プレミア価格になったエクスプローラほどの値上がりがあるというわけではありませんでした。

    20万円もの値上がりを果たした16610「本数が多い腕時計でもこれだけ値上がりする」ということを証明した良い例だと思います。

    例えば、16610が現行当時、4桁モデルは“アンティーク”と呼ばれそこそこ高い相場でした。

    しかし、4桁の頃と5桁の頃では流通本数がだいぶ違うため、本数の多い5桁がここまでの値上がりをすると予測できた人は少ないのではないでしょうか。

    これだけ本数の多い16610がこの値上がり額だと、複数買いという選択肢もありだったでしょう。

    しかもサブマリーナは、エクスプローラよりも値上がり額が大きいため、複数買いするなら16610が正解だったということになります。

    ちなみに16610、高くなったのは2010年以降。

    ということでこの時計、生産中止をきっかけとして高くなった模様です。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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