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2023年12月18日更新

阿部泰治のパテック論 ~第190回~ 2023年【パテックフィリップ】 売上ランキングTOP10!!

今回は、2023年の売上データ(2023年1月~2023年12月)を集計し、コミット銀座(以下、当店)で最も売れた【パテックフィリップ】TOP10をご紹介していきたいと思います。どのモデルがランクインするのかを想像しながら、楽しんでご覧いただければと思います。ぜひ最後までお付き合いください。

【目次】
◆ 第10位 『ワールドタイム クロワゾネ』PT 「Ref.5131/1P-001
◆ 第9位 『ノーチラス』SS 「Ref.5711/1A-011
◆ 第8位 『ノーチラス クロノグラフ』SS 「Ref.5980/1A-001
◆ 第7位 『アクアノート ジャンボ』18KWG 「Ref.5168G-001
◆ 第6位 『アニュアルカレンダー クロノグラフ』SS 「Ref.5905/1A-001
◆ 第5位 『アクアノート エクストララージ』SS 「Ref.5167A-001
◆ 第4位 『アクアノート トラベルタイム』SS 「Ref.5164A-001
◆ 第3位 『ノーチラス』SS 「Ref.5711/1A-010
◆ 第2位 『アクアノート エクストララージ』SS 「Ref.5167/1A-001
◆ 第1位 『ノーチラス プチコンプリケーション』SS 「Ref.5712/1A-001
◆ まとめ

第10位
ワールドタイム クロワゾネ』PT
「Ref.5131/1P-001

「Ref.5131」シリーズ唯一となるブレスレット仕様で2017年に登場した『ワールドタイム クロワゾネ』「Ref.5131/1P-001」。

文字盤のクロワゾネ部分には、北極を中心に北米とユーラシア大陸の北方が描かれており、中心部に位置する北極や北方のアメリカ、ユーラシア大陸の上部は、”雪”を表現する為に白を基調としたデザインになっています。従来のカラフルな仕上がりの文字盤と比べると、非常に落ち着いた印象を受けますね。ちなみに『ワールドタイム クロワゾネ』自体、流通量の少ないモデルではありますが、中でもこちらのモデルは極めて出回りが少なくなっており、当店での取り扱いも今年に入るまではほぼございませんでした。また、現行モデルを含めブレスレット仕様のモデルが無いことから、やはり需要は高く、販売した個体全てが翌日には申込が入っておりました。

第9位
ノーチラス』SS
「Ref.5711/1A-011

第9位は、2012年の新作として、ホワイト文字盤を搭載して登場した『ノーチラス』「Ref.5711/1A-011」がランクイン。

爽やかな印象のホワイト文字盤に、濃紺でフチ取られたインデックスや針夜光が配され、抜群の視認性を誇っています。また、モダン且つポップな印象であることから、『ノーチラス』の中でも人気の高いモデルではありましたが、2020年に惜しまれつつも生産終了を迎えてしまいました。ちなみにこちらのモデルは、サッカー界のスーパースター、リオネル・メッシ選手が着用していることでも有名なモデルで、その他海外セレブの方々も数多く着用している姿が目撃されています。世界の著名人からも愛される程、デザイン性に優れた逸品と言えるでしょう。

第8位
ノーチラス クロノグラフ』SS
「Ref.5980/1A-001

第8位は、2006年に『ノーチラス』生誕30周年を記念して、初のクロノグラフ搭載モデルとして発表された「Ref.5980/1A-001」がランクイン。

白文字盤、黒文字盤、ブルー文字盤と、全部で3種類の展開があり、それぞれに良さはありますが、一番『ノーチラス』らしいのは、やはりこちらのブルー文字盤。同年に発表された『アニュアルカレンダー・クロノグラフ』「Ref.5960P-001」にも共通する6時位置のインダイヤルが特徴的なデザインですね。この6時位置のインダイヤルですが、クロノグラフの計測で重要な30分積算計と12時間積算計を《6時位置に同軸で配置》しております。先端に赤い矢印が付いた白針の一周目が、青字で書かれた30分(0〜30分)を計測し、二周目が赤字で書かれた30分(31〜60分)を計測します。そしてもう一本の重なった白い針が、内周の12時間積算計となっており、合わせて見ることで計測時間が分かる画期的な仕様です。ケース径40.5mm、厚さ12.5mmと、そこまで大きさは感じませんが、着用した時のインパクトは抜群ですね。

第7位
アクアノート ジャンボ』18KWG
「Ref.5168G-001

第7位は、2017年に『アクアノート』生誕20周年記念として、18KWG(ホワイトゴールド)ケースに、42.2mmの”ジャンボ”サイズで発表された「Ref.5168G-001」がランクイン。

こちらは、ブラックグラデーションのブルー文字盤に、同系色のミッドナイトブルーで作られたトロピカルバントがスポーティーかつ上品な印象に仕上がっています。パテックフィリップシール取得となるジャイロマックステンプ採用のムーブメント「Cal.324 S C」を搭載しているため、機能性においても文句無しのモデルです。スポーツモデルの位置付けでありながらも、上品な印象を両立させた、【パテックフィリップ】のデザイン力に凄みを感じるオススメの一本です。

第6位
『アニュアルカレンダー クロノグラフ』SS
「Ref.5905/1A-001

第6位は、【パテックフィリップ】としては珍しい、SS(ステンレススチール)素材のブレスレットを備え、流行のグリーンカラーをダイヤルに採用した『アニュアルカレンダー クロノグラフ』「Ref.5905/1A-001」がランクイン。

サンレイ調のオリーブグリーンソレイユ文字盤は、落ち着いた色目でありながら、光の加減や角度によって濃淡が楽しめる美しい質感となっています。シースルーバックからは、デイリーユースに適したアニュアルカレンダーと、フライバック機能付きクロノグラフを搭載した自動巻きムーブメント「Cal.CH 28‑520 QA 24H」を十二分に鑑賞いただけます。上品で大人の印象を与えるこちらのモデルを軸にコーディネートしてみてはいかがでしょうか。

第5位
アクアノート エクストララージ』SS
「Ref.5167A-001

第5位には、2007年の登場以来、今なお販売されているロングセラーモデル『アクアノート』「Ref.5167A-001」がランクイン。

“クロノグラフ”、”トラベルタイム”など、魅力的なデザインや機能を持ったモデルもございますが、デイト表示のみの三針モデルは、そのシンプルなデザイン故に飽きずに長くお使いいただける不動のモデルです。ケース径40.8mmの程よい大きさと、ケース厚8.1mmという腕馴染みの良さは、スーツなどのフォーマルな装いはもちろんのこと、オフの日のカジュアルスタイルにも合わせやすいサイズ感となっています。二次流通市場の価格も安定しており、資産性にも優れた一本として高い注目を集めています。

第4位
アクアノート トラベルタイム』SS
「Ref.5164A-001

第4位には、2011年に登場したSS(ステンレススチール)ケース仕様の『アクアノート トラベルタイム』「Ref.5164A-001」がランクイン。

“トラベルタイム機能”を有したムーブメント「Cal.324 S C FUS」を搭載したこちらは、2つのタイムゾーンを同時に表示することが可能となっており、海外渡航をする方にとっては特に利便性の高い仕様となっています。インパクトがある40.8mmのケース径×10.2mmのケース厚、ブラック・エンボス加工が施された文字盤は、一見すると主張が控えめながらも、着用するとその存在感は抜群です。スポーティーな雰囲気、且つシンプルなカラーリングにまとめられていることで、オンオフ問わず着用できる点が人気足る所以でしょう。

第3位
ノーチラス』SS
「Ref.5711/1A-010

第3位には、『ノーチラス』の中でも特に高い人気を誇る、2006年発表の『ノーチラス』「Ref.5711/1A-010」がランクイン。

“プチコンプリケーション”や”クロノグラフ”、”トラベルタイム”など、魅力的な機能やデザインを持ったモデルが多く販売されていますが、やはり三針タイプのシンプルさは、先ほどご紹介した『アクアノート』同様、飽きずに使用出来ることから非常に人気が高く、SS(ステンレススチール)モデルながらも一千万円を優に超える価格で取引されています。一時期の高騰した相場に比べると落ち着いてきた印象ですが、既に廃盤となっていますので、良い個体や高年式の個体は市場から数が減ってきています。いつかは欲しい!と思っていた方は、早めに購入されることをオススメいたします。

第2位
アクアノート エクストララージ』SS
「Ref.5167/1A-001

第2位は、2008年に追加発表されたSS(ステンレススチール)ブレスレット仕様の『アクアノート』「Ref.5167/1A-001」がランクイン。

第5位にランクインした「Ref.5167A-001」とはブレスレット部分の仕様のみの違いとなるこちらですが、トロピカルバンド仕様のモノに比べてフォーマルな雰囲気が強くなっており、よりビジネスシーンにおいて使用しやすくなっています。別売りされているトロピカルバンドを購入して交換することも可能ですので、飽きずに使用出来るのも嬉しいポイントですね。高騰していた一時期に比べ、資産価値を保ちながらも市場価格は多少落ち着いている印象ですので、その点も購入の後押しとなり、2位にランクインする程、数多く取引させていただきました。

第1位
ノーチラス プチコンプリケーション』SS
「Ref.5712/1A-001

栄えある第1位には、『ノーチラス』生誕30周年記念となる2006年に発表された『ノーチラス プチコンプリケーション』「Ref.5712/1A-001」がランクイン。

前モデル「Ref.3712/1A-001」から、デザインやムーブメント自体の変更はされておらず、ムーブメントの規格が”ジュネーブ・シール”から”パテック・シール”へ、ブレスレットのコマが”ネジ式”から叩いて抜く”ピン式”へと変更になっています。おいそれと簡単に購入出来ない価格設定ではございますが、人気の三針『ノーチラス』のプレミアム価格と比べ、比較的お得感があるということもあり、注目を集めた結果になりました。資産性、実用性ともに文句無しの一本です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

やはり『ノーチラス』、『アクアノート』人気が高い結果となっておりましたが、『ワールドタイム クロワゾネ』や『アニュアルカレンダー クロノグラフ』など、デザインの美しさ際立つモデルに関してもランクインしていましたね。また、今回惜しくもランクインこそしませんでしたが、『カラトラバ』などももちろん安定した人気を誇っており、年々取引数は増えてきております。2024年も『ノーチラス』『アクアノート』の人気著しい結果となるのか、はたまたその他モデルが上回るのか、当店から目を離さずに注目していてください!

今年も残すところあと20日となりましたが、少しでも多く、魅力的な【パテックフィリップ】のモデルをご紹介していきますので、次回のパテ論も楽しみにお待ちください。

ではまた!

●この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。

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