2021年頃から、カルティエの中古相場が活発に動くようになりましたが、特に動いたのは90年代後半頃に現行だった世代だといえます。
最初に値動きしたのはパシャCですが、近頃最も活発な値動きをするのがサントスガルベ。逆に、最も値動きが遅かったのがタンクフランセーズだといえます。
ただ、そんなタンクフランセーズも2022年頃からは値動きするようになり、LMサイズの自動巻モデルは2022年に30万円近い状態に上昇。2024年には約35万円、40万円以上とさらに高くなる様子を見せていました。
タンクフランセーズは、「タンクシリーズのパシャC的存在」といったモデルで、SSを中心とする「若々しいタンク」といった印象だったといえます。
当初は、男性向けのLMサイズが展開されていたのですが、2010年代中盤には女性向けのMM、SMといったサイズのみになっていたため、近頃では「男性向け」という印象が薄れている部分があるかもしれません。
そういった点はパシャCと同様なのですが、タンクフランセーズの場合、はっきりと男性向けだと分かるLMが展開されていたため、2022年以降においてLMサイズの上昇が目立っているのだと思います。
さて、今回は同じLMサイズでもクロノグラフモデルの値動きをお伝えするのですが、この頃のカルティエのラインナップは、3針=自動巻、クロノグラフ=クォーツというのが常でした。
そのため、クロノグラフはすなわちクォーツとなるため、機械式と比べると安価という傾向があります。
これは、同じリシュモングループのピアジェも同様で、2001年に登場したアップストリームも3針が機械式、クロノグラフはクォーツとなっています。
ただ、近年ではクォーツのモデルでも「目立った上昇」となる事例は珍しくなく、実際カルティエでもサントスガルベのLMクォーツモデルが現在50万円台といった状況。2020年頃まで10万円台で購入可能だったことを考えると、随分上昇したといえます。
では、タンクフランセーズのクロノグラフモデルW51001Q3はどうなっているかというと、こちらもやはり値上がりしている状態が見られます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年6月 の安値 |
2025年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
カルティエ
タンクフランセーズ W51001Q3 |
中古 | 3年 8ヶ月 |
¥240,000 | ¥360,800 | 120,800 | 150.33% |
前回、このW51001Q3をお伝えしたのは2021年6月ですが、その時点でも24万円という水準に位置していました。
2016年時点でW51001Q3は約21万円だったため、2021年の24万円という水準はやや上昇していたといえます。
それが今やW51001Q3は約36万円といった状態。
これは明らかに高くなったといえる水準であるため、このW51001Q3も他のカルティエ同様、目立った上昇をしたといえます。
ちなみに、タンクフランセーズのクロノグラフモデルにはもう1つ、W51024Q3というモデルがあるのですが、そちらはすでに40万円台となっている様子。
今回取り上げたW51001Q3は針でデイトを示すタイプですが、W51024Q3は小窓タイプとなっている“違い”があります。
どちらもクロノリフレックス(クォーツの永久カレンダー)であることに変わりないため、見た目による相場差だといえるでしょう。