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腕時計特集

阿部泰治のパテック論 ~第258回~ 阿部オススメの希少モデルを2本ご紹介!!

2025年3月30日更新

本日は、保証書こそ付属しておりませんが、市場での流通量が少ない、”あの”人気モデル達をご紹介したいと思います!ぜひ最後までお付き合いください!

「Ref.5326G-001
『アニュアルカレンダー トラベルタイム』18KWG

2022年の新作として発表された『アニュアルカレンダー トラベルタイム』「Ref.5326G-001」。

思わず触ってみたくなるような質感を持ったテクスチャード ラック アントラサイト文字盤を搭載したこちらは、中央部から外周部にかけてのグラデーションや、注射器を連想させるシリンジ型の針、アラビア数字が組み合わさっていることにより、表情豊かな仕上がりになっています。

それにしても、このスタイリッシュなデザイン性はもちろんのこと、機能面でも驚かされた方は多かったのではないでしょうか。というのも、これまで”トラベルタイム“機構に”クロノグラフ“を搭載したモデルはございましたが、誰もが考えもしなかった”アニュアルカレンダー”を追加して登場した、良い意味で期待を裏切ったモデルです。

ケース径41mm、ケース厚11.07mmと、複雑な機構を二つも搭載していながらこのケースに納まっているのは、もはや驚きと言わざるを得ませんね。

また、ベゼル装飾として採用されることの多かった”クルー・ド・パリ”がケースサイドに施されていますが、これは『グランドコンプリケーション』などの”超絶モデル”にしか採用されていなかったため、【パテックフィリップ】のこちらのモデルに対する思い入れや、熱量も感じます。

従来の”トラベルタイム“機構搭載モデルは、8時位置と10時位置にプッシュボタンがあり、それらを押すことで、”LOCAL TIME(現地時間)”が1時間前進、1時間後進することが出来ました。しかし、こちらを見るとプッシュボタンの存在も無く、ピンなどで調整する箇所もございません。

こちらのモデル実は、リューズを一段引いて時計周りに進めることにより”LOCAL TIME(現地時間)”を1時間前進、半時計周りに進めると1時間後進させることが出来るようになっているのです。これにより、”LOCAL TIME”を誤って動作させてしまうことがなくなり、利便性がグッと上がっています。

ここで更に疑問が一つ。8時位置の”LOCAL TIME(現地時間)”が4時位置の”HOME TIME(出発地)”より前日であった場合、日付表示は前日に戻りますが、複雑機構の”アニュアルカレンダー”はどうなってしまうのか?壊れてしまわないのか?という懸念です。

従来の”アニュアルカレンダー”では、真夜中に日送りの動作が約90分かけて行われるため、この間にタイムゾーンを調整すると、日付表示がずれる可能性がありました。しかしながら本機に搭載されたムーブメントは、調整不可な時間が約5分の1の18分間のみとスケールアップされております。ここまで細かい点に配慮されているというのは、ただただ感心ですね。

サファイアクリスタルのスケルトンバックから鑑賞いただける新機構を搭載したムーブメント「Cal.31-260 PS QA LU FUS 24H」には、プラチナ製の単方向巻き上げ式マイクロローターが採用されています。

保証書は付属しておりませんが、その他の付属品は全て揃っており、非常に綺麗な状態となっています。また、現在は交換用のエンボス加工ファブリック柄のブラックカーフベルトが付いており、ヌバック仕上げのベージュカーフベルトは使用感ございません。
※ベルト交換時に付いたと思われるキズがラグ裏に1箇所ございます。

気になる販売価格は、9,768,000円(税込)

商品詳細はコチラ

「Ref.5330G-001
コンプリケーション ワールドタイム デイト』18KWG

2024年の新作として発表された『ワールドタイム 』「Ref.5330G-001」。

2023年に開催された”ウォッチアート グランド エキシビション(東京2023)”にて300本限定で発売された「Ref.5330G-010」をベースに制作されています。

2024年4月にスイスのジュネーブで開催された【Watches and Wonders Geneva 2024】にて初お目見えとなったこちらは、新作モデルとして発表された中でも私が一番心惹かれたモデルでもあります。

18KWG(ホワイトゴールド)ケースに爽やかな印象のブルーグレーオパーリン文字盤が配されており、文字盤中央部には『ワールドタイム クロノグラフ』「Ref.5935A-001」と同様のカーボンパターンが採用されています。また、ハンドステッチのデニム柄ブルーグレーのカーフベルトは文字盤との相性も抜群で、カジュアルな雰囲気に仕上げられています。

ケースサイズは、デイリーユースに適した40mmで、厚さも11.57mmに抑えられていることにより、着用時のストレスは一切無く、むしろ心地よい装着感となっています。また、”ワールドタイム“機構を搭載している現行モデルのラグと比較すると、ステップがはっきりとした形状になっており、非常に好みの顔立ちとなっております。

ワールドタイム機構に”ポインターデイト”機能が追加されたことも外せないポイントで、ローカルタイムに連動して日付も切り替わる画期的な仕様となっています。また、赤く塗られた先端以外はガラス製となっているため、文字盤デザインを損なわない作りになっています。パッと見だだけだと、針の存在に気付かない方もいらっしゃると思います。

サファイアクリスタルのスケルトンバックから鑑賞いただける自動巻きムーブメント「Ref.240 HU C」は、初代『ワールドタイム』「Ref.5110」から搭載されている「Cal.240 HU」がベースとなっており、22金ゴールド製の単方向巻き上げ式マイクロローターが採用されています。

こちらも保証書のみ付属しておりませんが、その他の付属品は完品で非常に綺麗な状態となっています。また、保管による皺などはございますが、ベルトは使用されておらず、ケースにはルーペレベルの微細なスレこそございますが、一切着用されていない未使用品となります。

気になる販売価格は、9,658,000円(税込)

商品詳細はコチラ

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、市場での流通量が少なく、これからの季節にもぴったりな人気モデルを2本ご紹介させていただきました。直接手に取ってみることもあまり出来ないモデルとなりますので、是非、この機会に当店まで足を運んでいただき、実機を確認してみてください!

引き続き、今まで以上に魅力的でオススメ出来るモデルを一本でも多くご紹介して参りますので、次回もお楽しみにお待ちください!

では、また!

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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