1982年に3800が登場して以降、長らくノーチラスのメインモデルは33mmとなっていました。
しかし1998年に、ジャンボサイズ(38mm)のモデルが久々に復活。
その再登場したのが3710/1A-001であります。
この3710/1A-001には、独特の機構のパワーリザーブインジケーターが搭載されており、そのためにPATEK PHILIPPEの記載が文字盤下部に記載。
こういった配置から、他のノーチラスに対して独特な雰囲気を醸し出しているといえます。
また、90年代後半のノーチラスは「黒文字盤が基本」という方針だったため、この3710/1A-001の文字盤も「黒文字盤、ローマ数字」という3800/1A-001と同じような見た目。
なにかとジャンボサイズのノーチラスとして、異例なモデルだといえます。
ちなみに、筆者は2002年にこの3710/1A-001を90万円程度で購入しましたが、2021年6月時点で中古相場が1000万円以上になっていました。
かつては、100万円未満で「いつでも誰でも購入可能」という状態だったのが、その10倍といった評価に達しているわけですから、いかにノーチラス人気が高まったかということがわかります。
そんな3710/1A-001でありますが、現在水準は998万円となっており、1000万円を切っている状態。
ジャンボサイズのノーチラスとしては、唯一1000万円未満で購入可能となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2022年7月 の安値 |
2025年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ノーチラス 3710/1A-001 |
中古 | 2年 9ヶ月 |
¥10,800,000 | ¥9,980,000 | -820,000 | 92.41% |
3710/1A-001は、2022年3月に1850万円という水準を記録した後に下落。
同年7月には1080万円となり、現在では998万円といった状態であります。
現在水準は、2021年6月水準を下回っているため、他の人気モデルと比べると「結構な値下がり」という印象になりますが、5711/1A-010といった他のノーチラスも2021年春水準並です。
そういったことからして、この3710/1A-001の現在水準は、ステンレスジャンボサイズノーチラスとしては、妥当な相場なのだと思います。
この3710/1A-001は現在、“最も安価なジャンボサイズノーチラス”でありますが、独特の機構のパワーリザーブインジケーターや、生産期間の短さ、また、唯一といって良い「黒文字盤&ローマン」の組み合わせが、“珍しい”と評価される日が来るのかどうかが、気になるところだといえるでしょう。