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現在相場考察

1000万円を切っている、ノーチラス3710/1A-001

2025年4月3日更新
パテックフィリップのノーチラス3710/1A-001について斉藤由貴生が執筆。本記事では2022年7月の安値と2025年4月の安値を比較し現在相場を考察。この2年9ヶ月での変動は82万円の値下がりだった。

ノーチラス 3710/1A-001についての考察(2025年4月)

1982年に3800が登場して以降、長らくノーチラスのメインモデルは33mmとなっていました。

しかし1998年に、ジャンボサイズ(38mm)のモデルが久々に復活。

その再登場したのが3710/1A-001であります。

この3710/1A-001には、独特の機構のパワーリザーブインジケーターが搭載されており、そのためにPATEK PHILIPPEの記載が文字盤下部に記載。

こういった配置から、他のノーチラスに対して独特な雰囲気を醸し出しているといえます。

また、90年代後半のノーチラスは「黒文字盤が基本」という方針だったため、この3710/1A-001の文字盤も「黒文字盤、ローマ数字」という3800/1A-001と同じような見た目。

なにかとジャンボサイズのノーチラスとして、異例なモデルだといえます。

ちなみに、筆者は2002年にこの3710/1A-001を90万円程度で購入しましたが、2021年6月時点で中古相場が1000万円以上になっていました。

かつては、100万円未満で「いつでも誰でも購入可能」という状態だったのが、その10倍といった評価に達しているわけですから、いかにノーチラス人気が高まったかということがわかります。

そんな3710/1A-001でありますが、現在水準は998万円となっており、1000万円を切っている状態。

ジャンボサイズのノーチラスとしては、唯一1000万円未満で購入可能となっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2022年7月
の安値
2025年4月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
3710/1A-001
中古 2年
9ヶ月
¥10,800,000 ¥9,980,000 -820,000 92.41%

3710/1A-001は、2022年3月に1850万円という水準を記録した後に下落。

同年7月には1080万円となり、現在では998万円といった状態であります。

現在水準は、2021年6月水準を下回っているため、他の人気モデルと比べると「結構な値下がり」という印象になりますが、5711/1A-010といった他のノーチラスも2021年春水準並です。

そういったことからして、この3710/1A-001の現在水準は、ステンレスジャンボサイズノーチラスとしては、妥当な相場なのだと思います。

この3710/1A-001は現在、“最も安価なジャンボサイズノーチラス”でありますが、独特の機構のパワーリザーブインジケーターや、生産期間の短さ、また、唯一といって良い「黒文字盤&ローマン」の組み合わせが、“珍しい”と評価される日が来るのかどうかが、気になるところだといえるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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