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現在相場考察

2011年以降においてこういった変動をするのは初、グランドセイコーSBGA011

2025年5月15日更新
セイコーのグランドセイコーSBGA011について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年5月の安値と2025年5月の安値を比較し現在相場を考察。この5年0ヶ月での変動は20万2800円の値上がりだった。

SBGA011についての考察(2025年5月)

グランドセイコーは、人気がある一方で、モデル数がものすごく多く、これまで目立った変動をしなかった傾向があるため、記事ではなかなか取り上げる機会がありませんでした。

筆者個人的に、SBGA011というモデルが好きなので、これまで何度か取り上げたことがあるのですが、2011年から2020年までの相場変化は次の通り。

  • 2011年4月 365,400円
  • 2017年12月 439,800円
  • 2020年5月 394,000円
  • リーマンショック後でも、アベノミクス後でも、2020年になっても、大きな変化はなかったといえます。

    また、2022年になっても、SBGA011はボトム価格が約37万円といった状態。今から2年前の2023年5月時点でも約42万円と、2017年12月水準と変わりなかったのです。

    2021年といった時期から、カルティエオメガ(限定モデルは以前から動いていた)など、値動きするブランドが増えていくといった現象がありますが、グランドセイコーSBGA011については反応なし。だから、2025年現在でも大きく変わらないと筆者は思っていました。

    しかしながら、SBGA011の現在水準を見てみると、なんと約59万円といった様子。

    長らく「変わらない」という状態が続いていたSBGA011が大きく上昇するということになっているのです。

    本記事で参考とした中古腕時計

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    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2020年5月
    の安値
    2025年5月
    の安値
    変動額 残価率
    グランドセイコー
    SBGA011
    中古 5年
    0ヶ月
    ¥394,000 ¥596,800 202,800 151.47%

    SBGA011は、今回約20万円の上昇となったわけですが、少なくとも2011年以降においてこういった変動をするのは初だといえます。

    なお、SBGA011は2005年に登場したため、2011年より前においては約59万円よりも高値だったことがあるかもしれません。筆者の調査では2010年以前の中古相場がわからなかったため、今回は過去最高値更新とは判断していません。

    ちなみに、SBGA011の定価は約62万円。現在の中古相場は「久々の値動き」であるものの、定価以上とはいえない状態でもあります。

    そのため、2000年代のオメガカルティエなどと比べると、そこまでインパクトの強い動きとはいえないでしょう。

    ただ、長らく動かなかったSBGA011が、こういった値動きをするというのは重要。

    カルティエは、2021年頃から値動きするモデルが順次増えるようになった、という経緯がありますが、このSBGA011の上昇は、グランドセイコーが値動きするようになる幕開けなのか、どうなのかが気になるところだといえるでしょう。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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