グランドセイコーは、人気がある一方で、モデル数がものすごく多く、これまで目立った変動をしなかった傾向があるため、記事ではなかなか取り上げる機会がありませんでした。
筆者個人的に、SBGA011というモデルが好きなので、これまで何度か取り上げたことがあるのですが、2011年から2020年までの相場変化は次の通り。
リーマンショック後でも、アベノミクス後でも、2020年になっても、大きな変化はなかったといえます。
また、2022年になっても、SBGA011はボトム価格が約37万円といった状態。今から2年前の2023年5月時点でも約42万円と、2017年12月水準と変わりなかったのです。
2021年といった時期から、カルティエやオメガ(限定モデルは以前から動いていた)など、値動きするブランドが増えていくといった現象がありますが、グランドセイコーのSBGA011については反応なし。だから、2025年現在でも大きく変わらないと筆者は思っていました。
しかしながら、SBGA011の現在水準を見てみると、なんと約59万円といった様子。
長らく「変わらない」という状態が続いていたSBGA011が大きく上昇するということになっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年5月 の安値 |
2025年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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グランドセイコー
SBGA011 |
中古 | 5年 0ヶ月 |
¥394,000 | ¥596,800 | 202,800 | 151.47% |
SBGA011は、今回約20万円の上昇となったわけですが、少なくとも2011年以降においてこういった変動をするのは初だといえます。
なお、SBGA011は2005年に登場したため、2011年より前においては約59万円よりも高値だったことがあるかもしれません。筆者の調査では2010年以前の中古相場がわからなかったため、今回は過去最高値更新とは判断していません。
ちなみに、SBGA011の定価は約62万円。現在の中古相場は「久々の値動き」であるものの、定価以上とはいえない状態でもあります。
そのため、2000年代のオメガやカルティエなどと比べると、そこまでインパクトの強い動きとはいえないでしょう。
ただ、長らく動かなかったSBGA011が、こういった値動きをするというのは重要。
カルティエは、2021年頃から値動きするモデルが順次増えるようになった、という経緯がありますが、このSBGA011の上昇は、グランドセイコーが値動きするようになる幕開けなのか、どうなのかが気になるところだといえるでしょう。