現在40万円近くするルミノールベースが25万円以下という時代だった2009年。そういう環境下ですら約60万円という高価格帯をキープしていたこのPAM00098はいかに高い腕時計であるかが分かるでしょう。
この時計が高級であるという一番の理由として最も分かりやすいのがこの“アラーム”という機能。
ただしこのアラーム、ミニッツリピーターのような美しい音を想像すると期待を裏切られます。
実際の音は、防犯ベルのような音でありオルゴールのような音とはかけ離れているのです。
しかしこの時計、機能はそれだけではなく「GMT」表示も搭載。
この複雑機構な見た目と、レアな機能がこの時計の高級感をとても良く演出していると思います。
けれども今はロレジウムよりも安く、2009年と比べても値下がり状態。
このPAM00098に搭載されているLJP5900というムーブメントを搭載する他の時計等を見た場合、またクロノグラフのPAM00288の現在相場と比較して相対的に考えると、現在価格は納得いくような気もします。
この時計、もしも今でもラジオミールが金無垢を中心とした豪華モデルという位置づけを継続していたならば、おそらく今の相場よりもっと高かったと思います。
2009年頃において、ラジオミール脱高級化の影響は受けていなかったと考えますが、よりラインナップが増えその流通自体も多くなった近頃、PAM00098は分かりづらいモデルという印象なのではないでしょうか。
とはいえ、この時計が現行だった2006年頃までにPAM00098の存在を認知していた人にとって、今でもこの時計は「高級」と映ることに違いはないでしょう。
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