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現在相場考察

クロノグラフとは随分異なる評価、カレラWS2111

2025年9月5日更新
タグホイヤーのカレラWS2111について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年1月の安値と2025年9月の安値を比較し現在相場を考察。この7年8ヶ月での変動は5万8360円の値上がりだった。

カレラ WS2111についての考察(2025年9月)

2015年時点で10万円台で購入可能、なおかつ最も安価なカレラとすらいえた「クラシックス」シリーズ。

これは、1996年に復刻モデルとして出た後に、限定が解除され2001年頃まで展開されたシリーズであります。

当初は、クロノグラフモデルしか存在しませんでしたが、2000年頃になると3針モデルやGMTが投入されています。

ただ、3針モデルのWS2111は、タグホイヤーの140周年記念モデルとしての限定販売。実は140本限定というかなりな希少モデルであります。

とはいえ、そういった希少性をもってしても、特段相場が高値ということはなく、2018年1月時点で約18万円といった状態でした。

同じ2018年の3月時点において、クロノグラフのCS2110は約24万円となっていたため、クロノグラフよりも「1段安価」といった価格帯とだったといえます。

さて、この世代のカレラといえば、クロノグラフについては現在相場がいずれも60万円程度いった価格帯に到達しているわけで、2018年頃と比べると2倍以上の伸びとなっている状態であります。

では、3針のWS2111についてはどうかというと、現在水準はなんと約23万円。

クロノグラフとは随分異なる評価であることが分かります。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年1月
の安値
2025年9月
の安値
変動額 残価率
タグホイヤー
カレラ
WS2111
中古 7年
8ヶ月
¥181,440 ¥239,800 58,360 132.16%

WS2111には、140本限定という希少性があるものの、以前から相場はクロノグラフよりも安価という傾向があります。

ただ、2018年時点ではクロノグラフが25万円程度だったならば、WS2111は約18万円。

その比率を現在のクロノグラフ相場(約60万円)に当てはめると、WS2111は約43万円(25:18=60:x)となっていても不思議でないといえます。

同じクラシックス時代のカレラでも、大きく伸びたクロノグラフに対して、2018年時点とそこまで変わりないといえてしまうWS2111ですが、今の価格を見た場合、かなり検討する価値ある状態だと筆者は思います。

ちなみに、現個体が特段安価というわけではなく、過去から今にかけてのWS2111相場が「伸びていない」といった状態。

各年ごとのWS2111平均値(各年の売り切れ価格)を示すと以下のようになります。

  • 2017年(2個体):157,140円
  • 2018年(1個体):181,440円
  • 2019年(3個体):183,427円
  • 2020年(3個体):181,095円
  • 2021年(2個体):237,100円
  • 2022年(2個体):175,940円
  • 2023年(7個体):193,646円
  • 2024年(1個体):200,376円
  • 括弧内の数値は各年ごとに売り出された個体数。2023年が最も多く、2018年と2024年が1個体と少ない。また、これまで最も相場が高値だったのは2021年だった。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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