腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

2022年12月水準に対して90万円もの上昇、ワールドタイム5110J-001

2025年11月7日更新
パテックフィリップのワールドタイム5110J-001について斉藤由貴生が執筆。本記事では2022年12月の安値と2025年11月の安値を比較し現在相場を考察。この2年11ヶ月での変動は90万円の値上がりだった。

ワールドタイム 5110J-001についての考察(2025年11月)

通常モデルとしては、2000年がデビュー年といえるワールドタイム。(1950年代などといった時期に、数少ないモデルとして存在していたため)

その際デビューしたのが5110系であります。

現在、ワールドタイムは4世代目の5330が現行となっていますが、以前のように「YG・WG・RG・Pt」がラインナップされているわけではなく、WGのみの展開となっています。(3世代目についてはYGの展開はなかった)

そのため、中古市場では3世代目までのワールドタイムの流通が比較的多いといえ、各世代ごとに「YG・WG・RG・Pt」をいつでも選べるといった印象があったといえます。

しかし、ある時から不思議と1世代目である5110系の在庫が激減。

また、ワールドタイムは「新しい方が高い」という傾向があったのですが、数を減らした1世代目が上昇し、今では2世代目はおろか、3世代目よりも高値となっている(WGの比較において)のであります。

さて、今回はそんな5110の中でも、YGの5110J-001についてですが、前回このモデルを記事で取り上げた2022年12月時点では438万円といった水準でした。

それに対して現在水準はどうなっているかというと528万円。

2022年12月水準に対して90万円もの上昇となっているのです。

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2022年12月
の安値
2025年11月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
ワールドタイム
5110J-001
中古 2年
11ヶ月
¥4,380,000 ¥5,280,000 900,000 120.55%

なお、この5110世代のK18ワールドタイムは、2022年の夏頃から急激に評価されるようになっていったのですが、それ以前は「各K18とも300万円前後から変わらず」といった状態が長らく続いていました。

また、5110が急激に評価されるようになった後は、不思議とWGが抜きん出て高値といった傾向があり、現時点でもそういった様子は変わりありません。

近頃といえば、WGとYGとだったら、「YGのほうが高値」という感覚があります。

ただ、カラトラバの3796やロレックス5桁世代のデイデイトのように、WGの数が少ないといった傾向がある場合は「WGのほうが高値」となる場合があります。

しかし、5110の場合は、「YG・WG・RG・Pt」とラインナップされていて、現行だった時期においても、生産終了後でも、特段どの素材がレアということはありませんでした。

そうであるにも関わらず、不思議と5110ではWGが特に大きく評価されており、現時点で5110G-001は600万円超えとなっている様子。もはやプラチナモデルが射程圏内といった様子を見せています。

ちなみに筆者個人的には、5110系の中で、このYGの5110J-001が好きであります。

というのも、この世代らしい見た目とYGがマッチしているからで、YGモデルのラインナップがなくなった今となっては、逆にYGに対して新鮮さを感じる部分があると思うのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。