通常モデルとしては、2000年がデビュー年といえるワールドタイム。(1950年代などといった時期に、数少ないモデルとして存在していたため)
その際デビューしたのが5110系であります。
現在、ワールドタイムは4世代目の5330が現行となっていますが、以前のように「YG・WG・RG・Pt」がラインナップされているわけではなく、WGのみの展開となっています。(3世代目についてはYGの展開はなかった)
そのため、中古市場では3世代目までのワールドタイムの流通が比較的多いといえ、各世代ごとに「YG・WG・RG・Pt」をいつでも選べるといった印象があったといえます。
しかし、ある時から不思議と1世代目である5110系の在庫が激減。
また、ワールドタイムは「新しい方が高い」という傾向があったのですが、数を減らした1世代目が上昇し、今では2世代目はおろか、3世代目よりも高値となっている(WGの比較において)のであります。
さて、今回はそんな5110の中でも、YGの5110J-001についてですが、前回このモデルを記事で取り上げた2022年12月時点では438万円といった水準でした。
それに対して現在水準はどうなっているかというと528万円。
2022年12月水準に対して90万円もの上昇となっているのです。
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2022年12月 の安値 |
2025年11月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
パテックフィリップ
ワールドタイム 5110J-001 |
中古 | 2年 11ヶ月 |
¥4,380,000 | ¥5,280,000 | 900,000 | 120.55% |
なお、この5110世代のK18ワールドタイムは、2022年の夏頃から急激に評価されるようになっていったのですが、それ以前は「各K18とも300万円前後から変わらず」といった状態が長らく続いていました。
また、5110が急激に評価されるようになった後は、不思議とWGが抜きん出て高値といった傾向があり、現時点でもそういった様子は変わりありません。
近頃といえば、WGとYGとだったら、「YGのほうが高値」という感覚があります。
ただ、カラトラバの3796やロレックス5桁世代のデイデイトのように、WGの数が少ないといった傾向がある場合は「WGのほうが高値」となる場合があります。
しかし、5110の場合は、「YG・WG・RG・Pt」とラインナップされていて、現行だった時期においても、生産終了後でも、特段どの素材がレアということはありませんでした。
そうであるにも関わらず、不思議と5110ではWGが特に大きく評価されており、現時点で5110G-001は600万円超えとなっている様子。もはやプラチナモデルが射程圏内といった様子を見せています。
ちなみに筆者個人的には、5110系の中で、このYGの5110J-001が好きであります。
というのも、この世代らしい見た目とYGがマッチしているからで、YGモデルのラインナップがなくなった今となっては、逆にYGに対して新鮮さを感じる部分があると思うのです。

