現在のエアキングは、「スポーツ系」に分類されますが、2015年までのエアキングは、現在のオイスターパーペチュアルのような立ち位置でした。
ただ、現在のオイスターパーペチュアルというと「プレミアム価格」という印象がある一方で、かつてのエアキングは、言葉を選ばずに表現すれば「ただのエントリーモデル」だったといえます。
そのため、長らく相場は特に目立った変化をしていなかったといえるのですが、この2年ぐらいの間において、かつては「普通のエントリー」という印象だった世代のエアキング、特に旧6桁(116)世代が評価されるように変化しているのです。
特に評価されているのは、フルーテッドモデル。
これは、旧6桁ならではのエアキングで、エントリーというキャラクターながら、「WGのフルーテッドベゼル」という高級要素が備わった、ある種の矛盾があるモデルであります。
現行当時は「不思議なモデル」という印象だったといえますが、生産終了してから時が経過しした今となっては、「こんなのあったのか」というように、魅力が増したといえます。
そういったこともあってか、相場が特に上昇しているのですが、そのフルーテッドベゼルの中でも、際立っているのが「ダイヤ文字盤」の114234Gであります。
エントリーなのにWGベゼルというだけでも不思議なのに、更にダイヤが加わった意外性が、今の時代では“たまらない1本”という印象。
それゆえ、近年評価が高まる様子があったわけですが、現在水準を見ると、ついに相場が100万円を超えた状態となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2024年2月 の安値 |
2025年11月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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ロレックス
エアキング 114234G |
中古 | 1年 9ヶ月 |
¥998,000 | ¥1,076,000 | 78,000 | 107.82% |
なお、114234Gには、白や黒文字盤などいくつかの文字盤色が展開されていますが、記事では文字盤色を問わず、114234Gの相場としています。
前回114234Gを取り上げたのは2024年2月ですが、その際は約99万円。
それが2025年11月現在では約107万円に達しているわけで、順調に上昇しているといえます。
5桁世代までのエアキングは、エントリーモデルらしく「WGのフルーテッドベゼル」も「ダイヤ文字盤」も設定されていなかったのですが、それが旧6桁のみで設定。
そういった矛盾ともいえる要素が、時が経つに連れ、「面白い」という感覚に変化していったのだと思います。