このところ現行モデルを中心に、“SSスポーツ系”といった人気モデルが上昇している様子がありますが、GMTマスター2の黒青ベゼル、通称“バットマン”もまた目立って値上がりしている状態が見られます。
“バットマン”の配色は、2013年に116710BLNRのデビューをもって追加されたのですが、これがGMTマスター2のセラミックとしては初の2色ベゼルでした。
そのため、バットマンはデビュー以来「入手困難の代表格」といった存在となっていたのですが、2018年にSSに“ペプシ”、つまり青赤が復活すると黒青のバットマンは以前よりも目立たなくなっていったといえます。
また、2022年には黒緑ベゼルかつレフティ仕様の126720VTNRが登場したわけで、ますます“バットマン”の存在は、以前よりも地味といった印象になっていったかもしれません。
そういったこともあってか、この数年、初代も現行も“バットマン”の相場は「動かない」といった印象があったわけです。
それが11月中旬になると、初代バットマンの116710BLNRが約2、3年ぶりに値動きするという状態に変化。
そして今、現行の126710BLNRでも「大きな変動」が見られる様子となっており、バットマンは久々に元気がある状態となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2024年9月 の安値 |
2025年12月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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ロレックス
GMTマスター2 126710BLNR ジュビリーブレスレット |
中古 | 1年 3ヶ月 |
¥2,539,520 | ¥2,948,000 | 408,480 | 116.08% |
126710BLNRには、5連のジュビリーブレスレットと、3連のオイスターブレスレット、2つの仕様がありますが、相場は5連のほうが高値といった傾向があります。
ちなみに、そういった傾向は現行GMTマスター2に共通しているのですが、現在「青赤」では5連と3連の相場があまり変わらない様子が見られます。
それに対して、「黒青」つまりバットマンでは、5連のほうが明らかに高値となっているため、従来からのGMTマスター2相場の印象通りといった様子。分かりやすい相場となっているように感じます。
なお前回、126710BLNRの5連をお伝えした2024年9月時点では約253万円だったわけですが、現在水準は約294万円。
126710BLNRが290万円台になるというのは久々ですが、いつ以来なのかというと、2022年1月2月といった時期ぶりであります。
その頃、126710BLNR(5連)は297万円となっており、それがこれまでのピーク水準でした。
それに対して、現在水準は約294万円となっているため、ピーク時にまで戻ったといえる状態であります。
2022年春に急上昇したモデルの多くはその後下落し、それから長らく停滞気味となっていたわけですが、この126710BLNRといい、このところ久々に最高値と同水準にまで戻ったという事例が多く見られます。
ちなみに、現在レフティである126720VTNR(5連)のボトム価格が約277万円であるため、バットマンはレフティを超えた状態。今における現行GMTマスター2、SSモデルの序列は高い順に「黒⇒青赤⇒黒青⇒黒緑」となっているのです(5連において)。
20年前ぐらいまで「青赤」が不人気だったのが、一転して人気となるように、GMTマスター2の人気色は数年に1度ぐらいのタイミングで変わる傾向がありますが、気づけば「レフティよりもバットマンのほうが高値」だったり「青赤よりも黒のほうが高値」となっているのが面白いといえるでしょう。