アンティークロレックスといえば、時計ブームが起こった90年代後半から、多くの時計ファンにとって憧れのモデルだと思います。
そんな4桁リファレンスのロレックスですが、強い魅力とは裏腹に、最近では取扱が難しいという難点が存在します。
それは、日本ロレックスでのメンテナンス受付が不可能となっているのではないかという懸念です。
90年代後半から既に20年近くの月日が経ってしまい、当時の高値だった4桁リファレンスモデルの多くが製造から40年以上が経ったため、ロレックスでメンテナンス不可能になっている可能性があるのです。
これは、2000年代前半から既に言われた出来事であり、2002年当時でも4桁リファレンスのエクスプローラの前期ハック無しモデルに関してはメンテナンス受付中止という噂があったりしました。
しかし、実際はこの個体のように2009年という時期でも日本ロレックスでメンテナンスされた個体が存在。
この記事の個体は前期ハックなしかつ、1965年製ですから2009年の時点で製造から44年が経過。
そのレベルでもメンテナンス受付がなされた、というのは非常に興味深い点です。
さて、なぜ4桁リファレンスのロレックスにおいて、日本ロレックスでのメンテナンス履歴が重要かというと、本物かどうかを証明するという機能を果たすからです。
4桁リファレンスのロレックスには一部ニセモノパーツが使われているという場合があるなど、扱いが難しいのです。
しかし、日本ロレックスでのメンテナンス受付履歴があると、問題のない個体であるという証明になります。
また、日本ロレックスでのメンテナンス履歴が無い場合でも、有名時計店での販売履歴がある個体は安心度が高いという傾向もあります。
よって、最も間違いの無い個体は、
- 日本ロレックスでのメンテナンス履歴があり
- 有名時計店で販売されている
という条件になります。
そして、当然ですが、過去相場との比較でも同じ条件で見ることが重要です。
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年4月 の安値(ヤフオク) |
2017年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
ロレックス
エクスプローラ 前期ハック無し 日本ロレックスOH済 1016 |
中古 | 4年 10ヶ月 |
¥638,000 | ¥1,069,200 | 431,200 | 167.59% |
さてこの1016、ステンレスのデイトナ並に強い影響力を持つ時計です。
よって、安い時期と比べていくら値上がりしたのかが非常に興味深いのですが、先のように、4桁特有の事情があり、価格比較が難しい個体です。
そして今回、
- ほぼ同じ年式(1年違い)
- 日本ロレックスオーバーホール済み
- 有名時計店が販売
という同じ条件で比べた結果、40万円値上がりしていることがわかりました。
40万円の値上がりというとすごい額に見えるのですが、エクスプローラ1016という強い時計かつ本数が少ないという事情を考慮すると、もっと高くなってもおかしくないと思います。
アンティーク独特の見た目で、人気かつ個体数が少ない1016は、かつてノーチラス3800より高かったのにもかかわらず、今では3800の半額程度です。
ちなみに、デイトナの116520や16520についても、本来の実力より値上がり額が低いと筆者は指摘していましたが、その指摘通り昨年12月から値上がり傾向。
これだけ魅力的なモデルですから、今の基準でこの相場は安いと感じます。