例えば、1本目に10万円台のオメガ、2本目に30万円台のロレックスを経験した人がいた場合、3本目に買う時計の予算はより高くなるという傾向があります。
2001年頃にポストロレックスとして注目されたパネライとフランクミュラーの当時人気だったモデルの実勢価格もロレックスよりちょっと高いというポジション。
そして、その3本目に買う時計として最もステップアップした選択というのがデイトナだったでしょう。
とはいえ、このデイトナは、先の通り2000年当時でも定価を遥かに上回る実勢価格だったため、お買い得感は皆無だったのです。
しかし、そんな超人気のデイトナを当時何も考えず新品で買ったとしても、その17年後に当時買った価格より高くなっているというのはすごい現象といえるでしょう。
実際、2000年においてエクスプローラやデイトナが90年代前半より遥かに高くなったということは知られていることであったのですが、それは4桁リファレンスの一部モデルに限られるだろう、という漠然とした印象もありました。
よって、当時現行だった5桁リファレンスのロレックスがここまで値上がりするとは誰も予測できなかったと思います。
けれども、17年後の今において答え合わせをしてみると、デイトナを買うことは「正解」だったということになるのです。
ちなみに、2000年におけるデイトナの最新モデルはA番ですが、必ずしもA番だとは限らないため、この記事の個体は現在最も安い個体を選定しています。
もしもA番同士で比較した場合、その値上がり額はもっと高い水準となります。
2001年頃、アクアノートやロイヤルオークを買っても値上がりでしたが、「何も考えずに一番人気のデイトナを買っても大幅値上がり」というのはなかなか面白い事例です。
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