2018年3月頃にカタログ落ちしたゴールデンエリプスの3738シリーズ。
3738は、ゴールデンエリプスの自動巻モデルとして1977年に登場したようですが、1984年には3738/100とへと変化した模様です。
これらデビュー年は、パテックフィリップの公式YouTubeやインスタグラムにアップロードされた資料を参考としていますが、投稿によっては間違いもあるため、必ずしも正しいとは限りません。
ただ、この3738というモデルは80年代前半の時点では既にあったと思われるため、70年代後半デビューは間違いでないと思います。
そうすると、この3738というモデルは、2018年3月頃にカタログ落ちするまで、約41年間に渡って現行モデルだった存在ということになるのです。
96シリーズのように、長いモデルライフの同一型番がパテックフィリップには存在しますが、そういったモノと比較しても、このゴールデンエリプス3738が、最も長寿なモデルといえるかもしれません。(96は約39年だった模様)
そんな3738のラストモデルとなったのが、2005年に登場した世代。
・YGの3738/100J-012
・WGの3738/100G-012
・RGの3738/100R-001
上記の3つが、3738としては最終形態となります。
YGは青文字盤、WGはグレー文字盤、RGはブラウン文字盤となっていますが、YGに関しては2005年以前の3738/100J-001とほぼ同じにも見えるため、特に変わりないようにも感じる方もいるかもしれません。
しかし、2005年においてYGは-001から-012へと変更されており、見た目からも異なる雰囲気を感じ取れる変化となっています。
具体的には、ベゼル部分とクリスタル接合部のツヤっと感が、それ以前のモデルとは異なり、文字盤のバーインデックスの形状もやや違います。
そういった違いなどにより、この2005年世代の3738からは、「21世紀」という近代的な要素を感じるのです。
そのような”差”はYGだと分かりづらいものの、新しい文字盤が採用されたWGなどは、2005年世代という新しさをより分かりやすく感じるために、以前からYGより高い傾向があります。
ここ5年ほどの感覚だと、3738/100J-001などの世代が110万円程度だったならば、2005年世代の3738/100J-012が130万円ぐらい。それに対して、WGやRGは140万円前後以上という感じでした。
それが2018年頃から2005年世代のゴールデンエリプスは、やや値上がり傾向となっており、特にRGは高くなった様子を確認することができました。
ただ、この世代のエリプスはあまり売り出されることがないため、YGやWGについてはなかなか見かけることがなく、今の時代においていったいどのような水準になっているのかはわかりませんでした。
しかし今、WGは久々に中古の個体が登場。その水準は150万円台となっており、やはり以前より高くなっている様子です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年春頃の安値(タイムトンネル) | 2019年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ゴールデンエリプス 3738/100G-012 |
中古 | 2 | ¥1,399,800 | ¥1,566,000 | 166,200 | 111.87% |
2005年世代のエリプスは、新品で売られている当時から「まだ売られているのか」と思われるほど謎な存在感を放っていたとも感じます。
そのため、古いモデルをそのまま売っていた、とも感じてしまったわけですが、よく見ると「実はかなり魅力的なモデル」ということが分かり、パテックフィリップがこれをラインナップしていた理由が分かります。
ゴールデンエリプスの魅力は、一見すると「変な時計」に見えるのですが、見ているとだんだんとハマってくるという点。
こういった魅力は、ノーチラスと似ているということは、以前から指摘しているとおりです。
ノーチラスのように爆発的なヒットとなるには、数が少ないためハンディもありますが、それでもエリプスという存在には、「分かる人には分かる」という秘めた魅力があると思うのです。