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現在相場考察

今また久々に売られている、アクアノート 5064A

2019年6月21日更新
パテックフィリップのアクアノートについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年6月の安値(楽天)と2019年6月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年0ヶ月での変動は70万8480円の値上がりだった。

アクアノート 5064Aについての考察(2019年6月)

パテックフィリップクォーツといえば、女性用の一部モデルへのラインナップだったり、男性用でも80年代頃までのモデルに存在するという印象があるかもしれません。

しかし、実はアクアノートの第一世代にもクォーツモデルが存在。それこそ、5064Aというミディアムサイズの男性用モデルであるのです。

アクアノートといえば、現在はエクストララージが標準サイズという印象がありますが、第一世代の時代では、ミディアムの33mmが主流

97年にデビューした際は、33mmだけのラインナップでしたし、翌年98年に38mmのラージが追加されてからも、ミディアムが売れ筋という印象があったといえます。

ですから、33mmミディアムサイズの5064Aは、当時の標準的サイズのクォーツバージョンだったわけです。

そんな5064Aという存在は、2005年頃までパテックフィリップのとしては異例なほど安い価格帯で入手可能。筆者は2000年代前半に、約38万円で売られている5064Aを衝動買いしようか迷ったことがありましたが、それから数年間、30万円台という価格帯が変わっていなかったことになります。

2000年前半当時でも、5064Aの中古が売れられていることは珍しいと感じ、決して数が多い時計という印象はありませんでした。とはいえ、この時計が欲しいと思って狙っていれば、入手難易度はそれほど高くなかったともいえ、今よりも見かける機会が多かったといえます。

しかし、2015年頃になるとその様子は、変化しており、5064A中古が売られているという事自体がレアととなったのです。

筆者は5064Aを2015年に見ましたが、その次に5064Aを見たのは2018年になってからのこと。2015年以降は、1年に1度見かければ良いほうというように、織姫と彦星もびっくりなレアな出会いとなってしまった印象です。

5064Aは、2018年6月以降、少なくとも2回登場しているようで、以前より若干出る傾向があるようです。それでも、レアという印象に違いがないようで、比較的すぐ売れる傾向もあるようです。

そんな5064Aは、今また久々に売られているのですが、その価格は、以前とはずいぶん異なる水準へと変化。

1年前に約132万円だったのが、今では約203万円という水準。

実に、1年で70万円以上の値動きとなっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年6月
の安値(楽天)
2019年6月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
アクアノート
5064A
中古 1年
0ヶ月
¥1,321,920 ¥2,030,400 708,480 153.59%

5064Aは、見かけることが少ないレアモノとなっただけでなく、2005年以降、登場するごとに価格帯が変化する傾向があると感じます。

実際、2005年3月に約38万円だったのが、2015年8月には約89万円。そして、2018年6月には、約132万円となっており、今では約203万円にまで変化しているのです。

アクアノートといえば、最近5065/1A5167/1Aなどが派手な値動きをしている傾向がありますが、クォーツモデルの5064Aもそれらに負けないほどの値動きとなっているのです。

クォーツの5064Aは、同世代のアクアノートと比較して安いという傾向があるものの、その安さやクォーツというキャラクターにより、「安いけど買ってよいのだろうか」と躊躇するような存在かといえます。

けれども、これまでの事例を見る限り5064Aは、なかなかな値動きをしているため、買って良かったといえる存在だったといえます。

希少性といい、クォーツという意外性といい、世界の時計ファンには、ある意味たまらない5064A。コレクター目線では、積極的に入手したい1本だと思われるのかもしれません。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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