ギョーシェ文字盤、フレデリックピゲ搭載という内容からも「パシャの高級ライン」ということが分かるわけですが、実際、現行だった頃の定価も100万円以上という水準でした。
新品実勢価格の観点でも、2001年1月において約59万円(税込換算)だったわけですが、当時、このような価格帯に対する印象は、「ロレックスよりも高い」というものでした。
実際、2001年において「高い」という印象だったのはフランクミュラーのカサブランカですが、5850サイズの白文字盤が約54万円でした。
ロレックスの場合、最も高いSSスポーツ(デイトナを除く)がエクスプローラー14270の約45万円だったわけで、54万円という価格帯になると青サブ(16613)が購入可能だったのです。
ですから、このパシャ38mmクロノグラフ、W31030H3には「かなり高い」という印象があったわけですが、そういった感覚は2010年代中盤から変わってしまっています。
このW31030H3、腕時計が全体的に安い2010年頃の中古相場でも、当時の青サブ水準と同等という価格帯をキープしていたのですが、2013年以降になると不思議と「青サブ水準よりも安価」といった状況へと変化。
実際、青サブが30万円台後半だった2011年2月、このパシャ38mmクロノグラフは36万円程といった様子だったわけですが、2016年4月水準は約32万円となっていたのです。
そして、2016年7月には約29万円にまで下落。この時、30万円を割るという様子に驚きましたが、それ以降「20万円台と30万円台を行ったり来たり」という印象となっています。
また、2017年12月には、ボトム価格が約24万円という状態にまで下落。かつて「高いモデル」という印象だったパシャ38mmクロノグラフがこのような価格となるのは衝撃ですが、同時にフレデリックピゲ搭載モデルとして最安値となっていたわけです。
その後は、2019年4月に30万円台に回復したのですが、2020年4月には、最初の緊急事態宣言の影響もあってか、再度30万円台を割った状態となっていました。
そんなW31030H3ですが、今、再び30万円以上という水準に回復している様子があります。
現在ボトム価格は、約32万円という様子となっているのですが、これは2016年4月水準と同等です。
2016年4月水準というと、他の腕時計の例からして「高くない」と感じてしまうかもしれませんが、この5年間のW31030H3にとって、一番高い時期が2016年4月だったのです。
カルティエパシャ38mmクロノグラフW31030H3の価格比較
時計名 | 状態 | 2020年4月の安値 | 期間 | 2021年5月の安値 | 変動した額 | 残存価額 |
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カルティエ パシャ38mm クロノグラフ W31030H3 |
中古 | ¥264,000 | 1年 1ヶ月 |
¥327,800 | 63,800 | 124.17% |