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かつては評価されていた、カルティエヴァンテアンクロノスカフW10125U2

かつての中古相場はどうかというと、例えば2000年代後半の場合、ブルガリアルミニウムの3針自動巻モデルは5万円前後という価格帯で程度の良いモノが手に入りましたが、クロノグラフはその価格帯よりも高い水準でした。

そしてその時期において、カルティエのスカフシリーズは、3針自動巻のオートスカフも、クロノグラフのクロノスカフブルガリアルミニウムクロノグラフより高い価格帯に位置していたのです。

実際、クロノスカフはリーマンショック後の2008年11月という時期においても18万9000円という水準。ちなみに当時はロレックスなどが全体的に安くなっている時期で、エクスプローラー1427022万円程度でした。

ですから、クロノスカフという存在は、当時の他の腕時計の価格を考慮すると、なかなか評価されていた価格帯に位置していた事がわかります。

しかしそんなクロノスカフは2017年3月の時点で約9万円という水準まで下落。

クロノスカフはラバーベルトを採用しているため、程度の悪い個体が存在しますが、2017年3月における約9万円の個体の程度は良好でした。

ちなみに、2017年12月におけるブルガリアルミニウムのクロノグラフモデルは、約12万円という水準。エクスプローラー14270にいたっては40万円以上という価格帯です。

ですから、かつてリーマンショック後に下落しなかったクロノスカフという存在は、かつての強さが感じられないほど値下がりしているのです。

そんなクロノスカフという存在は、2018年現在でもほぼ価格帯が変わることなく、相変わらず程度の良いモノが9万円台という様子。

リーマンショック直後にエクスプローラー142703万円程度しか変わらなかった時計は、今となってはずいぶんの価格差がある状況。それは2017年から起きていますが、2018年に至っても変化の兆しがないのです。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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