左右非対称デザイン、ワールドタイム的な機能、マニュファクチュール。
これら要素を備えたジャガールクルトのマスタージオグラフィークという存在は、高級感も人気要素も申し分ない時計という印象だと思います。
実際、2000年代前半における新品実勢価格は50万円前後という水準。当時は、サブマリーナ16610の新品実勢価格が30万円台後半でしたから、上級な存在というキャラクターだったと感じます。
50万円台という価格帯は今となっては「それほど高い」と感じない水準だと思いますが、当時は雲上スポーツもこの価格帯に位置していましたし、ノーチラス3800の新品実勢価格ですら90万円程度だったのです。
ですから、2000年代前半における50万円台という価格帯は、今よりかなり高い印象だったということになるといえます。
ただ、その当時50万円台程度に位置していた時計は、当時「高い」と思っても結果的に値上がりしている時計が多いように感じます。
ノーチラスが値上がりしているのはもちろん、新品実勢価格が50万円台だったロイヤルオークやオーバーシーズもその価格帯より高くなっています。
しかし、マスタージオグラフィークに関しては2000年代前半の新品実勢価格と、2018年現在の中古価格がほぼ変わっていない状況です。
さらに、この時計は2016年11月という時期と比べても、やや値下がり状態なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年11月 の安値(楽天) |
2018年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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ジャガールクルト
マスタージオグラフィーク 142.8.92 |
中古 | 1年 7ヶ月 |
¥559,000 | ¥528,000 | -31,000 | 94.45% |
雲上スポーツは人気がある存在であるため、2000年代前半より値上がりしているのは当たり前ともいえますが、コンプリケーションモデルに関してもスポーツモデルに負けないほど高くなっている存在があります。
例えば、パテックフィリップの5085/1Aは100万円台前半でしたが、今となっては200万円以上。ワールドタイムの5110は100万円台後半でしたが、今では300万円前後という水準です。
そして、マスタージオグラフィークはそれら時計の要素を併せ持つ魅力的な時計であるのにもかかわらず2000年代前半の新品実勢価格と変わらないという状況。
まして、ロレックスやパテックフィリップなど多くの時計が安かった2016年11月頃より、2018年のほうが安いという状況ですらあります。
マスタージオグラフィークは先のように、
という要素を併せ持つ存在。
ですから、2000年代前半の新品実勢価格より高くても不思議ではない存在であるのです。
見た目が美しく、便利な機能を備え、機械も自社製。
これほどの内容でこの価格帯というのは、腕時計が全体的に高いという印象がある2018年において、穴場的な存在だと感じます。