腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

パテックフィリップの常識を破った日本限定希少種、ステンレスのカラトラバ

2016年4月8日更新
パテックフィリップのカラトラバ3718Aについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2015年2月の最安値(ヤフオク)と2016年4月の最安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年2ヶ月での変動は28万2000円の値上がりだった。

カラトラバ ステンレス 日本限定150周年 3718Aについての考察(2016年4月)

パテックフィリップのステンレスモデルってただでさえ希少な上に、ラインナップ自体も限られる。ぱっと思いつくのもノーチラスアクアノート5085/1A、って感じでしょう。例えば、カラトラバゴンドーロにステンレスモデルがあるかというとそんなことはなく、金orプラチナケースしかラインナップされていません。で、カラトラバにステンレスを採用したのがコレパテックフィリップ150周年を記念した日本限定モデルです。

パテックフィリップ カラトラバ 3718A(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2015年2月
の最安値(ヤフオク)
2016年4月
の最安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
ステンレス
日本限定150周年
3718A
中古 1年
2ヶ月
¥698,000 ¥980,000 282,000 140.40%

日本限定モデルってコレの他にもアクアノートが有名です。

どちらも企画したのはかつての日本代理店、一新時計です。

一新時計が企画した日本限定って、

 

 

という、マニアにぐっとこさせる内容。

通常のモデル常識に反しているという意味では、

 

  • 赤サブ
  • ブラックアウト(エクスプローラ)

 

といったロレックスのレアモデルともノリが近いですね。

しかし、そのようなレアモデルでありながら、特に高くならないのが日本限定モデルの特徴です。

特に青アクアノートなんて世界的にアクアノートに青??」「しかも日本限定??」って感じで高くなりそうですが、通常モデルと価格の差はありません。

で、このステンレスカラトラバに至っては通常モデルよりも安値の傾向。

では、なぜ安値なのか。。

例えば、青アクアノートであれば、

 

  • ラージサイズにしなかった
  • ステンレスブレスレットモデルを用意しなかった(一部の5065/1Aのようにステンレスブレスレットの付属品として青ラバーベルトつけるのが良かった)

 

という点がダメだったと思います。

要するに、一新時計の日本限定パテックって33mmぐらいのフェイスなのです。

日本人には33mmが上品だっていう風潮一時期ありました。

アクアノートも5065より5066がバランスが良いと言われていた時代を思い出します。

しかし、“ラージ”のほうが世界的にも人気がありますし、私個人も良いと思います。(パネライから影響された40mm以上はやり過ぎだと思います)

上品だとか言って“押し”を弱くすると所有満足感が低くなるのです。

だから、一見ツボを押しているように見える日本限定パテックの相場が高くないことも納得。

そんなステンレスカラトラバ、昨年2月から1年で28万円も値上がりしているように見えますが、ロイヤルオークのクオーツと同じく、【マニアック+不人気】なのでどれだけ需要があるか不明。

その結果、同じ時期でも70万円台から90万円台という20万円ほどの価格の乖離が存在します。

ただ、最近某時計店に出ていたステンレスカラトラバは約90万円ですぐに売れていた模様。

よってこの1年で値上がりしたのは間違いないようです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。