2017年から派手な値動きを見せている現行ノーチラス。
その中心的存在こそ5711/1Aですが、現在、世界的に大人気モデルという様子があります。
しかし、その人気の主役といえる存在は、2色ある文字盤ラインナップにおいて、青文字盤のほう。
これまで、青文字盤が派手な値動きをしている一方で、白文字盤は影に隠れるように「青文字盤よりはっきり安い」という価格帯に位置していました。
青文字盤は、2018年において500万円台後半という水準に達していましたが、その時期白文字盤は「やっと400万円台になった」といったところ。
つまり、2018年5月頃において、青文字盤と白文字盤は150万円程度の価格差があったのです。
けれども、これまで短期間で派手な値動きを繰り返していた青文字盤のノーチラスは、2018年5月以降値動きが停滞気味。現在に至るまで約9ヶ月の間、500万円台後半という相場となっており、かつての値動きと比べるとずいぶん長らく変化していないといった感想になります。
その一方で、白文字盤はどのような様子となっているかというと、こちらも長らく400万円台という水準から変わっていない感覚がありました。
ただ、ここ2ヶ月の間において、白文字盤には「分かりやすい異変」が発生。
その異変とは、売り出されている中古の個体が0本になったという点です。
これまで白文字盤のノーチラスである5711/1A-011は、常時数本の中古があり、買おうと思えばいつでも手に入るという状況でした。
しかし、2018年12月上旬から、売り出されている個体が0本となり、約2ヶ月間という期間において、入手困難な状況となっていたのです。
そして最近、久々に5711/1A-011の中古が登場したのですが、その水準は500万円台後半となっています。
現在、青文字盤の5711/1A-010のボトム価格が約588万円、白文字盤の5711/1A-011が約570万円という水準ですから、青文字盤と白文字盤の価格差は“約18万円”となっている様子です。(2019年2月13日現在)
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年9月 の安値(楽天) |
2019年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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パテックフィリップ
ノーチラス 5711/1A-011 |
中古 | 0年 5ヶ月 |
¥4,768,750 | ¥5,702,400 | 933,650 | 119.58% |
今年2019年には、多くのパテックフィリップが生産終了となった模様で、ノーチラスでも年次カレンダーなどがそれに該当しています。
しかし、この5711/1A-011は生産終了とはなっておらず、このタイミングで変化が生じているのは、生産終了によるものではありません。
では、高くなった要因として、どのような点が考えられるのかというと、白文字盤への注目が高まったということが推測できます。
年次カレンダーの5726/1Aは生産終了となりましたが、その白文字盤は2018年において、3針より安いぐらいの価格帯となっていました。
それが、2019年現在では3針より高い状態にまで回復し、生産終了が発覚した現在では売出し個数が0本となっています。
かつての記事で、「5726/1Aが3針より安い」ということを取り上げましたが、その際、評価されていない理由として推測したのは「青文字盤人気が高い」という点です。
実際、その時期、青文字盤だと3針もコンプリケーションも高かったのに対し、白文字盤の年次カレンダーは、それらよりも高級な存在であるにもかかわらず、50万円以上安かったのです。
それが、今となっては、白文字盤の年次カレンダーもしっかりと評価されているため、ノーチラスにおける白文字盤に対する印象が以前と変わったのだと思います。
そういったこともあり、3針においても白文字盤が評価されるようになったのではないかと推測します。