2000年代前半に現行モデルとしてラインナップされていたカラトラバの5107シリーズ。
3色の金素材とプラチナが用意されており、プラチナのみが黒文字盤となっています。
現行としてラインナップされていた当時は、特に人気という印象はなく、むしろリューズガード風なデザインに否定的な人のほうが目立っていたように感じます。
しかし、この数年において、この5107はこの世代のカラトラバとしては相対的に高い価格帯に位置し、現行時からは考えられないほどの評価となっています。
リーマンショック後の2009年9月という時期に約108万円だったこの5107Jは、2016年6月時点では216万円にまで上昇。
ただ、2016年11月には他の多くの腕時計が値下がりしたのと同様、約187万円にまで下落していました。
そんな5107Jですが、2019年2月現在はどのような水準となっているかというと、230万円台となっており、2016年6月を上回る水準となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年11月 の安値(楽天) |
2019年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
カラトラバ 5107J-001 |
中古 | 2年 3ヶ月 |
¥1,879,500 | ¥2,325,000 | 445,500 | 123.70% |
2016年11月に値下がりしたこの5107Jですが、今の水準はそこから回復しただけでなく、値下がり以前の水準より高くなっているのです。
この5107Jは、5000Jなどと同世代と分類できますが、この世代のカラトラバとしては最も高い水準だと感じます。
最近カラトラバにおいて、値動きが目立っている他のモデルといえば5296G-001などですが、それはこの5107よりも1世代新しい世代だといえます。
カラトラバは、新しい世代のほうが基本的には相場が高めですが、より新しい世代かつ、値動きが目立っている5296G-001より、この5107Jのほうが高い水準であるのです。
ただ、それはYGとWGを比べた場合であって、WG同士の比較では5296のほうが高い水準となっています。
カラトラバのようなクラシカルなモデルにおいても、WGが安い傾向があるというのは、少し驚く現象だといえるかもしれません。
いずれにしても、キャリバー315や324を搭載するカラトラバは、センターセコンドの3針+カレンダーというオーソドックスな腕時計の要素を採用していますが、カラトラバではこの「自動巻3針カレンダー」という仕様が相対的に高い価格帯に位置する傾向があります。
カラトラバというと目立った値動きをするという印象がないかもしれませんが、この5107J-001や5296G-001のような3針モデルは、近年不思議と目立った値動きをする傾向を感じます。
現在の230万円台という水準は、同世代のコンプリケーションモデルの一部よりも高く、実際5055Gよりも、現在5107J-001のほうが高い状態です。
また、年次カレンダーの5035JやGともほぼ同じ価格帯となっており、かつての実勢価格や定価を考慮すると、このカラトラバ5107はかなり評価されているといえます。