腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

230万円台になった、カラトラバ5107J

2019年2月28日更新
パテックフィリップのカラトラバについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年11月の安値(楽天)と2019年2月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この2年3ヶ月での変動は44万5500円の値上がりだった。

カラトラバ 5107J-001についての考察(2019年2月)

2000年代前半に現行モデルとしてラインナップされていたカラトラバ5107シリーズ。

3色の金素材とプラチナが用意されており、プラチナのみが黒文字盤となっています。

現行としてラインナップされていた当時は、特に人気という印象はなく、むしろリューズガード風なデザインに否定的な人のほうが目立っていたように感じます。

しかし、この数年において、この5107はこの世代のカラトラバとしては相対的に高い価格帯に位置し、現行時からは考えられないほどの評価となっています。

リーマンショック後の2009年9月という時期に約108万円だったこの5107Jは、2016年6月時点では216万円にまで上昇。

ただ、2016年11月には他の多くの腕時計が値下がりしたのと同様、約187万円にまで下落していました。

そんな5107Jですが、2019年2月現在はどのような水準となっているかというと、230万円台となっており、2016年6月を上回る水準となっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年11月
の安値(楽天)
2019年2月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
5107J-001
中古 2年
3ヶ月
¥1,879,500 ¥2,325,000 445,500 123.70%

2016年11月に値下がりしたこの5107Jですが、今の水準はそこから回復しただけでなく、値下がり以前の水準より高くなっているのです。

この5107Jは、5000Jなどと同世代と分類できますが、この世代のカラトラバとしては最も高い水準だと感じます。

最近カラトラバにおいて、値動きが目立っている他のモデルといえば5296G-001などですが、それはこの5107よりも1世代新しい世代だといえます。

カラトラバは、新しい世代のほうが基本的には相場が高めですが、より新しい世代かつ、値動きが目立っている5296G-001より、この5107Jのほうが高い水準であるのです。

ただ、それはYGとWGを比べた場合であって、WG同士の比較では5296のほうが高い水準となっています。

カラトラバのようなクラシカルなモデルにおいても、WGが安い傾向があるというのは、少し驚く現象だといえるかもしれません。

いずれにしても、キャリバー315や324を搭載するカラトラバは、センターセコンドの3針+カレンダーというオーソドックスな腕時計の要素を採用していますが、カラトラバではこの「自動巻3針カレンダー」という仕様が相対的に高い価格帯に位置する傾向があります。

カラトラバというと目立った値動きをするという印象がないかもしれませんが、この5107J-0015296G-001のような3針モデルは、近年不思議と目立った値動きをする傾向を感じます。

現在の230万円台という水準は、同世代のコンプリケーションモデルの一部よりも高く、実際5055Gよりも、現在5107J-001のほうが高い状態です。

また、年次カレンダー5035JやGともほぼ同じ価格帯となっており、かつての実勢価格や定価を考慮すると、このカラトラバ5107はかなり評価されているといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。