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現在相場考察

P番は約1年で180万円以上の変動、デイトナ16520白文字盤

2019年3月2日更新
ロレックスのデイトナ16520について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年1月の安値(楽天)と2019年3月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年2ヶ月での変動は182万5680円の値上がりだった。

デイトナ P番 白文字盤 16520についての考察(2019年3月)

2017年から多くの腕時計が目立って上昇しているといえますが、その先陣を切った存在こそ、デイトナ16520です。

16520は、2000年前後のロレックスブームの時代から、「腕時計の王様」といった評価を受けていましたが、2016年までの評価は、そういったことを考慮するとかなり低いという感想でした。

16520は、リーマンショック後に80万円台となりましたが、アベノミクスから数年が経過した2015年の段階でも約110万円台にとどまっており、2年という期間でも28万円程度の値動きしかしていなかったのです。

それが2016年12月からは、目立った値動きをするようになり、28万円程度の値動きなら、たったの数ヶ月で起こってしまうという様子となったのです。

ただ、2017年夏過ぎからはその値動きは停滞し、それ以降の値動きは緩やかとなったといえます。

それでも16520は高くなっているといえ、現在では220万円台後半という水準に達しています。

さて、そんな16520には、同じリファレンスでも、さらに高い価格帯に位置するモデルがありますが、そういった存在で最も有名なのが「P番」という存在です。

「P番」は16520の生産終了年である2000年に製造された個体であるのですが、評価される理由はいくつかあります。

その1つが、2000年夏という時期に116520にモデルチェンジされたため、生産期間が短く数が少ないという点です。ちなみに、GMTマスター216710にも、生産終了年に製造された「M番」という存在がありますが、デイトナ同様に高い価格帯となっています。

また、「P番」の時代には、発光塗料が順次トリチウムからルミノバになるなど、当時の近代化が進んでいた時期にあたるため、そういった「最新要素」を持つP番は特に評価された傾向もあります。

それらの要素により、2000年代前半から長らく「P番」の16520は、通常モデルよりずいぶんと高い価格帯に位置する傾向があるのです。

例えば、16520120万円台だった2016年12月以前において、「P番」は約191万円という水準でしたし、リーマンショック後に1652080万円台となった時代でも約147万円という水準だったのです。

僅かな差でこのような評価となるわけですから、腕時計ファンでない人には理解できず、腕時計ファンからしても、「P番」を選ぶということは相当な勇気を必要としたかもしれません。

しかし、そのような存在は、その時「割高」と感じても、その後さらに上昇する傾向は珍しくありません。

この16520「P番」も、まさにその例の象徴的な存在だといえ、「高い」と思っても、年々さらに高くなっているのです。

では、この1年の間では、どのような変動となったのかというと、なんと180万円以上も上昇している様子となっています。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年1月
の安値(楽天)
2019年3月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
デイトナ
P番
白文字盤
16520
中古 1年
2ヶ月
¥2,974,320 ¥4,800,000 1,825,680 161.38%

180万円というと、腕時計そのものの相場だと勘違いしてしまいそうですが、これは時計本体の価格ではなく、1年で変動した額です。

2018年1月の段階で、約297万円という水準だったP番の白文字盤16520は、2019年3月の今、480万円という水準となっており、「腕時計の王様」「P番」というイメージ通りの値動きとなっていると感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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