近代的パネライの幕開けとなったモデルこそ、このPAM00233だといえます。
現在のパネライにおいて、自社ムーブメントという要素は珍しくありませんが、初の自社ムーブメントは2005年の発表でした。
2005年に発表されたのは限定モデルでしたが、233番こそ“通常モデルとして初の自社製ムーブメントが搭載されたモデル”です。
また、ルミノール1950が通常シリーズ化されたのもこのモデルからだといえ、なにかと現在に続く要素の幕開けとなった存在です。
この233番には、このように目立って新しい要素が多々採用されたため、2006年に登場してからは、なかなか高い水準となっていました。
例えば、2008年1月の段階では中古が100万円以上という水準であり、当時の新モデルということもあってか、なかなか評価されていました。
しかし、2016年にこの233番は約66万円という水準にまで値下がりしており、なかなかな値下がりとなっていたのです。
2016年に60万円台半ばという水準にまで下落していたこのPAM00233ですが、2018年3月の時点では70万円台にまで回復。
2018年といえば、多くのパネライにおいて値下がりするモデルが目立った印象がありますが、特にそういった現象となったモデルは2006年以降の世代が目立つ印象です。
また、それらモデルの多くは、腕時計が全体的に安かった2010年前後の水準より安くなっているという傾向があります。
ですから、このようなことを考慮すると、2019年の今、PAM00233は1年前と比べて値下がりしていても不思議ではありません。
しかし、この233番、なんと現在では約86万円という水準になっており、1年1ヶ月前と比較して15万円以上も値上がり状態なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年3月 の安値(楽天) |
2019年4月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
オフィチーネパネライ
ルミノール1950 PAM00233 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥705,000 | ¥861,840 | 156,840 | 122.25% |
ここ1年近くの間、値下がりモデルを目にする傾向が多いように感じるパネライですが、特に2006年以降のモデルなど、比較的新しい世代が値下がりしている印象があります。
けれどもこの233番は、そういった要素を持ちながらも1年で15万円以上の値上がりとなっており、近頃のパネライとしては目立って優秀と感じます。
ちなみに、筆者が記事を書いている途中に対象となっていたボトム価格の個体が売れてしまいましたが、その個体を例にとってもきっちりと値上がり状態です。
「売れている」かつ「値上がり傾向」ということが、現在このPAM00233から伝わってくるため、なかなかの人気状態だと感じます。
このPAM00233は、2006年以降世代としてこのように優秀な動きとなっているわけですが、他のパネライにも影響を及ぼすのか、今後が楽しみだと思います。