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現在相場考察

40万円台後半に落ち着いた、スピードマスタームーンフェイズ3575.30

2019年7月3日更新
オメガのスピードマスター3575.30について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年6月の安値(楽天)と2019年7月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年1ヶ月での変動は7万4160円の値下がりだった。

スピードマスター ムーンフェイズ 3575.30についての考察(2019年7月)

2000年頃、スピードマスターに2つの高級志向モデル、ムーンフェイズブロードアローが登場しました。

ムーンフェイズWGベゼル仕様、ブロードアローフレデリックピゲベースのムーブメントを搭載しており、どちらも「上級」という仕様が特徴的となっています。

それら2モデルは、新品実勢価格も、中古相場も似たような水準となっており、そういった現象は、2016年頃まで続いていたといえます。

しかし、2017年頃から、ムーンフェイズの中古売り出し数が少なくなり、その後相場は上昇。

その時期から、ブロードアローより高い中古相場となったのです。

そして、同じ時期においてムーンフェイズに起こった変化がもう一つありました。

それは、銀文字盤の3575.30よりレアになるという現象です。

ムーンフェイズには、白文字盤と銀文字盤が存在したのですが、銀文字盤の3575.30は「ヨーロッパ限定」と言われています。

とはいえ、日本では平行輸入品が珍しくなく、2005年の段階では、白文字盤と同じ価格で新品が売られていました。

そんな銀文字盤は、その後も白文字盤と大きく価格帯が変わるということはなかったのですが、2017年末頃から白文字盤と異なる水準へと変化したのです。

特に大きく変化したといえるのが、2018年夏頃だったのですが、当時、銀文字盤は50万円台半ばにまで上昇していました。

2017年6月において、この3575.30約36万円という水準だったため、2018年6月時点の水準は、派手に値動きしたという印象でした。

また、この3575.30は、2016年まで30万円前後という印象があったため、2017年6月時点の約36万円という中古水準も、過去最高値といえるぐらいのインパクトがあったことになります。

ちなみに、筆者は、この時計を2005年に友人に勧め、友人はこれを24.8万円で新品購入しています。

そのため、このような値動きは、筆者としても、友人に良いアドバイスをしたと自負していたのです。

しかし、それから1年経った今、3575.30値下がり傾向となってしまっています。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年6月
の安値(楽天)
2019年7月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オメガ
スピードマスター
ムーンフェイズ
3575.30
中古 1年
1ヶ月
¥558,000 ¥483,840 -74,160 86.71%

1年前の段階で50万円台中盤だった3575.30は、現在では40万円台後半という水準。

1年で約7.4万円の値下がりですが、2005年の新品実勢価格や、2017年の中古水準と比較すると、依然「だいぶ高い」といえますし、2018年の水準に続いて「過去2番目に高い水準」とも言えるかと思います。

そういった意味では、この3575.30は値下がり傾向であるものの、その様子は「落ち着いた」と表現したほうが適正だといえるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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