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かつて60万円台だった200万の時計、パテックフィリップ「アクアノート」5065/1A

三雲ブランドによる“ロレックス的”な時計が最初に登場したのは1970年代。

ともにジェラルドジェンタがデザインした

 

がそれです。

そして、その次に三雲ブランドによる“ロレックス的”時計がデビューしたのは90年代後半。

 

 

です。

【70年代デビュー組】

【90年代デビュー組】

 

という感じになるのですが、

90年代後半から始まった時計ブームの際、これら三雲ブランドの“ロレックス的”時計は地味キャラにとどまっていました。

2002年当時、今180万円台で売られている5065/1Aの中古相場は60万円台

その頃既にいくつかのロレックスがすでに値上がりしていて、

「タイムマシーンがあればデイトナを40万円で購入したい」

という冗談も通用していたりしました。

が、60万円台で売られているアクアノートについて誰も見向きもしない状況

「最初に買うパテックフィリップカラトラバである必要がある」

とか

アクアノートしか持っていないのではパテックフィリップを所有しているとはいえない」

なんて言われる始末。

しかし、2005年頃を境にアクアノート急な値上がり傾向に。

2007年ごろには現在と同じような相場になりました。

その後のリーマンショックで100万台とか110万円台ぐらいまで下がりましたが、また200万円近辺まで反発!

かつてデイトナより安かったこの時計、今ではデイトナよりも高いのです。

ただし、初代アクアノートには結構ラインナップが多いので相場を間違えないように注意が必要です。

安い順に、

ミディアムサイズ クオーツ 5064
ミディアムサイズ 自動巻(初期型)5060
ミディアムサイズ 自動巻 ラバーベルト 5066
ラージサイズ 自動巻 ラバーベルト 5065
ミディアムサイズ 自動巻 ステンレスブレスレット 5066/1A
ラージサイズ 自動巻  ステンレスブレスレット 5065/1A
(メンズサイズ、ステンレス製のみ)

となります。

ちなみに、かつてクオーツの5064は30万円台で売られていたこともありますが、現在は80万円台ぐらい。

もっともクオーツはほぼ流通していないといっても良いので絶滅危惧種的存在です。

また、1997年に出た初期型は5060という型番で、見た目が似ていますが5066とは別物。

5066に設定されているステンレスブレスレットの設定がないのと、裏蓋がガラス製(裏スケ)ではありません。

もう一つ細かいことをいうと、デイト表示のフォントが5060は明朝体、5066はゴシック体です。

これは当時のパテックフィリップがフォントを変更したため、アクアノートだけでなくノーチラスなどデイト表示ありモデル全般にかかわる変更です。

今でも販売しているかもしれませんが、かつてステンレスブレスレット単体の販売がありました。

そのため、ラバーベルトしか設定されていないクオーツの5064にステンレスブレスレットを装着することも可能。

パテックフィリップのステンレスは生産に手間がかかるらしく生産数が少ないので、供給が少ない。

よって、需要が少しでもあがると供給が間に合わず高値となるわけです。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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