2010年に登場した現行エクスプローラーですが、2016年には文字盤が新デザインへと変更されています。
その際、特にリファレンスが変わることはなく、ロレックス公式ページでは「新しいエクスプローラー」と表記。アップルのiPadのような呼び方だと感じました。
そんな「新しいエクスプローラー」も登場から4年以上の月日が経過。「新しい」といった“新鮮さ”よりも、“定着した”という表現が合うでしょう。
2016年に「新しいエクスプローラー」が登場するまで、214270は長らく3・6・9に白ラインがない状態だったわけですが、そういった仕様はエクスプローラーとしては異例。もちろん、5桁世代にもそのような仕様がありましたが、それはあくまでも希少なレアモデルだったわけです。
2010年に登場した214270は、通常モデルとして「ブラックアウト」仕様だったわけですが、登場時から、その3・6・9に「白いラインが欲しい」という声があったように思います。
そしてその声に答えるように、2016年に「新しいエクスプローラー」として登場したモデルには、3・6・9に白ラインが復活。そして、その相場は2010年登場の前期よりも高くなったわけです。
さて、先のように214270の3・6・9に白ラインが復活してから、4年以上の月日がけ経過しましたが、それは同時に前期モデルが生産終了されてから時間が経ったということを意味します。
そうなると、従来不人気だった前期がなんだか「レア」に見えてくるわけです。また実際、5桁時代を含めたエクスプローラーの30年において、ブラックアウトが通常販売されていた歴史は6年に過ぎません。
ですから、そろそろ214270において前期文字盤が評価されるといった現象が起こっても不思議でないわけですが、その様子はどうなっているのでしょう。
現在、214270の前期は約69万円という水準なのですが、後期は約74万円。今でも前期のほうが安い傾向があります。
とはいえ、これは見方によっては「優秀」といえる要素があるため、なかなか興味深い状態だと感じるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年7月 の安値 |
2020年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
ロレックス
エクスプローラー (前期文字盤) 214270 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥625,000 | ¥698,500 | 73,500 | 111.76% |
では、現在の214270(前期)に対する優秀さはどういったところなのかというと、いくつかのポイントがあります。
1つ目は、この1年の間にきちんと値動きしているという点。
昨年の記事でもお伝えしましたが、214270(前期)は2016年から2019年までの約3年に渡って50万円台を脱することがなかったわけで、価格ステージが変わりづらい傾向がありました。
けれども、今のボトム価格(ABランク以上)は69万8500円。70万円台にかなり近い状態となっているのです。
さらに、2019年7月⇒2020年7月という期間でもきちんと上昇。2019年といえば、上半期に目立った上昇だった反面、下半期には下落トレンドが発生。その結果、2019年7月が「ピーク」水準なっているモデルが多く、2020年7月水準が2019年7月水準よりも安いということが珍しくないのです。
それに対して、214270(前期)は2019年7月⇒2020年7月の比較で上昇しているわけですから、すごいという感想になります。
次に、2016年に登場した「新しいエクスプローラー」(後期)と前期の価格差が狭まっている点があります。
1年前の記事でも「新文字盤のほうが旧文字盤より10万円程度高い傾向がある様子」と記載しているように、長らく前期と後期の価格差は10万円以上といった傾向がありました。
それが今では、前期のボトム価格が約69万円、後期が約74万円という状況。実に、その価格差が5万円程度になっているのです。