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本当はカッコいいフラッグシップ、ブルガリスポーツクロノ黒文字盤

90年代から2000年代前半ぐらいまでは、オメガより高級かつロレックスとほぼ同程度、という位置づけだったブルガリカルティエ

しかし、宝飾ブランドという特権的なブランド力を兼ね備えるブルガリは、そういう特権があるにも関わらず2000年代後半から現代に至るまで随分と人気のない腕時計となってしまいました。

その人気がまさに時計の相場にも反映。

かつて20万円以下ではありえなかった機械式のクロノグラフが15万円以下なんていう状況。

これではパシャCと同じじゃないですか。

パシャCは「女性物」というイメージが浸透してしまったので、男性からの需要が低くなり安値傾向というのは理解可能ではありますが、ブルガリスポーツクロノはどう見ても男性用。

にもかかわらずなんでこんなに安いの?と言いたくなってしまいます。

しかし、いざ自分がこれを買ってみようかと思うと、ベゼルの「BVLGARI」という文字が異常に主張しているような気がして、ちょっと恥ずかしい気持ちになりそうな気もします。

けれども、時計自体はとても良いと思うので、着けたくはないけど欲しいと思うのは確か。

実際、10万円台となったブルガリのかつての人気モデルは、結構売れているような印象があります。

確かに、かつての相場を知っている人が現在のブルガリを見たら「安っ」と思って思わず衝動買いしてしまいたくなるのも頷ける。

ちなみに上記のスポーツクロノ、ベゼルの「BVLGARI」のフォントが横に伸びているので2000年以降の後期型です。

ローマのスペイン階段近くのブルガリ本店を見ると、ものすごい高級ブランドなのだということを認識させてくれるブルガリ

かつて筆者がブルガリ本店を訪れた歳、野村沙知代みたいな日本人のマダムが日本語で「どこに座ればいいの?」と言いながら店内に降臨した姿を思い出します。

しかし、日本国内ではブルガリのイメージというと、どうしてもドンキホーテのイメージになってしまいます。

特に、ベゼルの「BVLGARI」が大きい黒文字盤のクロノグラフは、本当はデイトナが欲しかったけど手が出ないニーチャンが「A|X」とか「D&G」みたいなTシャツとともに腕組みしながらドンキホーテ店内を歩く様子が目に浮かびます。

「BVLGARI」のフォントが横伸びしていない前期の白文字盤とかなら、ドンキホーテなイメージは若干払拭されるものの、ブルガリのイメージがそうなっているのは非常にもったいない話です。

でも、宝飾ブランドの機械式クロノグラフが15万円以下で買えるってのは非常にお買い得。

イメージを気にしなければ、今かなり良い選択肢の腕時計だと思います。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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