2000年代前半に世界的なパネライブームが発生した際、「デカい」「分厚い」といったパネライならではの特徴が多くの腕時計に影響を与えたといえます。
「分厚い」までは影響されなかったものの、2000年代にデビューした腕時計におけるケースサイズの拡大は顕著で、ロレックスからパテックフィリップまで、様々なブランドの腕時計が“大きくなった”といえます。
また、「分厚い」といったパネライならではの“ボリューム感”も多数のモデルに採用されたといえ、かなりな腕時計がパネライ的文脈を引用したといえるわけです。
そんな2000年代ならではのモデルの1つが、カルティエのサントス100であるわけですが、これは2004年に出たサントスの新モデルでした。
サントス100が出るまでは、サントスガルベがサントスシリーズの中心的存在だったといえますが、ガルベは1980年代頃に“流行った”という経緯があるため、2000年頃の印象は“古臭い”という感覚だったといえます。
そんな中、“最も現代的なサントス”といった雰囲気で登場したサントス100は、デビューするや否や、「サントス」というシリーズをカルティエの人気モデルに再び押し戻したといえたでしょう。
2000年代前半のカルティエは、パシャCやタンクフランセーズなどが売れ筋だったといえ、サントスガルベの影は薄かったのです。ですから、真新しいサントスとして登場したサントス100は、2000年代において「サントス」を再びカルティエの売れ筋モデルにした功績があると思います。
そんなサントスシリーズでありますが、2010年代後半ぐらいになると、「サントスガルベ」の良さが中古市場では再認識。当初はXLサイズから相場が上昇したわけですが、今ではLMサイズも値上がりしています。
また、カルティエもサントスのラインナップを再びガルベ的なものへ戻し、サントス100はすでにシリーズ終了状態。
そういったこともあって、この数年、サントス100の相場は元気がなく、サントスガルベ(XLサイズ)と逆転してしまいました。
また、サントス100はサントスガルベのLMサイズとも同水準となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年1月 の安値 |
2023年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
カルティエ
サントス100 W20073X8 |
中古 | 2年 6ヶ月 |
¥437,800 | ¥484,000 | 46,200 | 110.55% |
2017年においてこのW20073X8は、約46万円という水準でしたが、サントスガルベのLM(自動巻)は25万円程度。それが今やガルベが上昇したことにより、両者は同水準という様子であります。
サントス100のW20073X8を最初にお伝えしたのは2016年3月でありますが、それから今にかけて記事でお伝えした相場は以下の通りであります。
上記を見ると、40万円台前半と後半を行ったり来たりしている感覚になります。