腕時計投資新聞

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2016年10月25日更新

30万円切ったというのは5年前と同じ水準、ブルガリディアゴノAL38G

このAL38G定価は100万円以上なのですが、デビューした翌年の2003年頃にはすでに30万円台前半という額で中古が売られていました。

当時は今とは異なりブルガリの腕時計も、ロレックスと比較対象というぐらい人気のある存在。まして、金無垢モデルとなると、ブルガリが不人気な今の時代でも高値というぐらい強いはず。にも関わらず、30万円台で買える金無垢のスポーツブルガリということで筆者が個人的に着目していたのがこのAL38Gなのです。

そしてその後、2007年にかけて腕時計相場が全体的に値上がり状態になるにつれこのAL38G40万円以上という額まで値上がり状態に。

そしてリーマンショック後、ほかの腕時計が安値になるのと同じように、約30万円という額まで値下がりしたのです。

値下がりしたといっても2008年から2010年頃までは30万円以下では買うことができないという印象だったのに対して、2011年から2012年頃は28万円前後でも普通に買えるようになりました。そして、それから2014年にかけて再び40万円前後となったこのAL38G

そのAL38が現在、28万円で売られているというのは、かなりビックリなのです。

これをロレックスで例えるなら、

  • ロレジウム(16622)が45万円
  • エクスプローラ(14270)が22万円
  • 青サブ(16613)が38万円
  • で売られているのと同じような感覚。

    そして興味深いのはこの時計が2014年頃まではロレックスとほぼ同じ動きをしていたという点。

    例えば、フランクミュラーカサブランカのように2012年ごろと比べても値下がり状態であれば、AL38Gは相場と相関しなくなったというのがすぐに分かるのですが、2014年頃までは相場と相関していたのに、最近になってAL38Gだけ値下がりしたという不思議。

    ちなみに、同じく相場をつかむのに最適なロレックスヨットマスターロレジウム(16622)は安いときに45万円、高いときは60万円台後半という感じなのですが、最近は58万円ぐらいの模様。

    よってヨットマスターを見ても値下がり傾向ではあるのですが、それでもAL38Gほどの水準にはなってはいないのです。

    そして、ヨットマスターの値動きも徐々にほかの腕時計と連動しなくなりつつある模様です。

    とうことで最近、腕時計の相場は以前のように全体的に高い安いというのではなく、より細分化されている傾向があるのかもしれません。

    ●この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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