このところ、デイトジャストやデイデイト、または116世代のエアキングやオイスターパーペチュアルデイトといった「非・スポーツ系」が値動きしている印象があります。
今回お伝えするのは、5桁世代のデイトジャストのWGベゼルモデル、16234ですが、記事では以前から青文字盤を追っています。
16234は、現行だった2000年前後という時期において「オーソドックスな選択肢」というキャラクター。その後の中古相場も値動きせず、むしろ「これが動くのか?」という印象を持つ時計ファンも多かったといえます。
もちろん、リーマンショックやアベノミクスといった大きなことが起こると変動はするのですが、それ意外では、特に動かないといっても大げさではなかったでしょう。
もちろん、全く動かないわけではないのですが、スポーツ系と比べると微々たる動きだったといえます。
それが2021年になると、16234の様子は一変。
青文字盤は、2021年8月に約65万円という水準に到達していました。
2017年頃まで16234青文字盤の相場は長らく35万円前後という印象があったのですが、2018年5月に約40万円に上昇。その時点でも「すごい」と感じられたのですが、それが2021年に約65万円にまで達したのです。
そして、その後も16234青文字盤はきちんと上昇し、2022年5月時点では約71万円、2024年1月時点では約78万円となっていました。
そんな16234青文字盤ですが、現在水準はどうかというと約82万円といった様子。
ついに80万円台という価格帯に到達しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2024年1月 の安値 |
2025年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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ロレックス
デイトジャスト 16234 青文字盤ローマン |
中古 | 1年 4ヶ月 |
¥781,000 | ¥822,800 | 41,800 | 105.35% |
記事で最初に16234青文字盤を紹介した2016年時点での相場は約33万円。その後、40万円台になった2018年時点でも「すごい」と驚いたわけですが、それが今や80万円台となっているわけです。
16234や16233といった5桁世代のデイトジャストは、当時「ロレックスの象徴的なモデル」だった反面、「珍しくない」といった存在でもありました。
スポーツ系に対して注目度が集まるようになった90年代後半において、この16234は「見飽きた」といっても過言ではなかったでしょう。
そのためか、その後の中古相場も、特に値動きするといった印象はなかったのですが、それが今や“2018年水準の倍”といった状態になっているわけです。
もしも2019年頃までにおいて、私が「16234が値動きする」などといったら、多くの時計ファンに「そんなことはない」といわれたことだと思います。私自身も、「16234が動く」などと誰かにいわれたら「可能性は低い」などといっていたかもしれません。
しかしながら、蓋を開けてみたら16234はしっかり動いているわけで、「そんなことにはならないだろう」という個人の主観が、いかに当てにならないかを象徴する事例だと思います。