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現在相場考察

2017年水準とほぼ同じ、ルミノールベースPAM00560

2025年5月30日更新
オフィチーネパネライのルミノールPAM00560について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年12月の安値と2025年5月の安値を比較し現在相場を考察。この4年5ヶ月での変動は5万8674円の値上がりだった。

ルミノールベース PAM00560についての考察(2025年5月)

パネライは1993年から一般向けに高級腕時計の販売を開始し、1997年にリシュモングループ入りして今に至ります。

リシュモングループ前の時代は「プレヴァンドーム」と呼ばれており、相場は圧倒的に高値。また、リシュモングループになった直後のモデルで、トリチウムが採用されている個体も高い傾向があり、特にルミノールマリーナやベースが高値となっています。

今回は、ルミノールベースを取り上げたいと思うのですが、プレヴァンドームから近代的世代(ロレックス6桁世代相当)までの型番は以下の通りです。

  • 1993年 5218-201/A
  • 1997年 PAM00002
  • 2002年 PAM00112
  • 2005年 PAM00000(112も継続)
  • 2014年 PAM00560
  • なお、2番にはトリチウムとルミノバが存在し、トリチウムが圧倒的に高値。112番は、前期と後期で文字盤の形状が異なり、後期にはサンドイッチ文字盤が採用されています。

    プレヴァンドームから0番までの相場序列は、高い順に『5218-201/A⇒2番(トリチウム)⇒2番(ルミノバ)⇒112番⇒0番』となっているといえます。

    ただ、現時点では、プレヴァンドームとトリチウムの2番を除くと、どれも50万円前後となっているため、世代ごとの相場差があまりないといえます。

    さて、今回は2014年登場の560番を取り上げたいと思うのですが、これは他のルミノールベースとは何が違うのかというと、自社製ムーブメントを搭載したモデルであります。

    パネライは、2005年に自社製ムーブメントを発表したのですが、当初は限定モデルや上級版への採用に限られていました。

    それが、2014年に最もオーソドックスなモデルといえるルミノールベースへも自社製ムーブメントを採用し、112番の後継としてこの560番が登場したわけです。

    560番は自社製ムーブメント搭載モデルということもあって、2014年のデビュー時から、それまでのルミノールベースと比べて相場が高値だった経緯があります。

    しかし、2017年までには下落し、その後相場があまり変わらない状態が続いているため、今となっては「他社製ムーブメントモデル」との差がない価格帯となっています。

    本記事で参考とした中古腕時計

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    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2020年12月
    の安値
    2025年5月
    の安値
    変動額 残価率
    オフィチーネパネライ
    ルミノールベース
    PAM00560
    中古 4年
    5ヶ月
    ¥425,700 ¥484,374 58,674 113.78%

    この560番は、2020年に特に値下がりし、約42万円となっていましたが、現在では約48万円にまで回復したといえます。(いずれもABランク以上のボトム価格)

    しかしながら、現在水準は2017年5月の約47万円とほぼ同じといった状態。

    他のルミノールベースの場合、2023年頃から値動きするようになり、例えば白文字盤の10番は、2022年4月時点で約40万円だったのが、2024年1月には約59万円となっていました。

    10番は、リシュモン初期世代に当たるモデルですが、2005年登場の0番といった“古くないモデル”でも2017年から現在までにかけて変化。

    2017年1月時点で0番は約37万円でしたが、現在のボトム価格(ABランク以上)は約52万円という状態です。

    そういった意味でこの560番は、過去に「自社製ムーブメントモデル」として高値だったことを考えると、立ち位置が随分変化したと感じます。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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