パネライは1993年から一般向けに高級腕時計の販売を開始し、1997年にリシュモングループ入りして今に至ります。
リシュモングループ前の時代は「プレヴァンドーム」と呼ばれており、相場は圧倒的に高値。また、リシュモングループになった直後のモデルで、トリチウムが採用されている個体も高い傾向があり、特にルミノールマリーナやベースが高値となっています。
今回は、ルミノールベースを取り上げたいと思うのですが、プレヴァンドームから近代的世代(ロレックス6桁世代相当)までの型番は以下の通りです。
なお、2番にはトリチウムとルミノバが存在し、トリチウムが圧倒的に高値。112番は、前期と後期で文字盤の形状が異なり、後期にはサンドイッチ文字盤が採用されています。
プレヴァンドームから0番までの相場序列は、高い順に『5218-201/A⇒2番(トリチウム)⇒2番(ルミノバ)⇒112番⇒0番』となっているといえます。
ただ、現時点では、プレヴァンドームとトリチウムの2番を除くと、どれも50万円前後となっているため、世代ごとの相場差があまりないといえます。
さて、今回は2014年登場の560番を取り上げたいと思うのですが、これは他のルミノールベースとは何が違うのかというと、自社製ムーブメントを搭載したモデルであります。
パネライは、2005年に自社製ムーブメントを発表したのですが、当初は限定モデルや上級版への採用に限られていました。
それが、2014年に最もオーソドックスなモデルといえるルミノールベースへも自社製ムーブメントを採用し、112番の後継としてこの560番が登場したわけです。
560番は自社製ムーブメント搭載モデルということもあって、2014年のデビュー時から、それまでのルミノールベースと比べて相場が高値だった経緯があります。
しかし、2017年までには下落し、その後相場があまり変わらない状態が続いているため、今となっては「他社製ムーブメントモデル」との差がない価格帯となっています。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年12月 の安値 |
2025年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
オフィチーネパネライ
ルミノールベース PAM00560 |
中古 | 4年 5ヶ月 |
¥425,700 | ¥484,374 | 58,674 | 113.78% |
この560番は、2020年に特に値下がりし、約42万円となっていましたが、現在では約48万円にまで回復したといえます。(いずれもABランク以上のボトム価格)
しかしながら、現在水準は2017年5月の約47万円とほぼ同じといった状態。
他のルミノールベースの場合、2023年頃から値動きするようになり、例えば白文字盤の10番は、2022年4月時点で約40万円だったのが、2024年1月には約59万円となっていました。
10番は、リシュモン初期世代に当たるモデルですが、2005年登場の0番といった“古くないモデル”でも2017年から現在までにかけて変化。
2017年1月時点で0番は約37万円でしたが、現在のボトム価格(ABランク以上)は約52万円という状態です。
そういった意味でこの560番は、過去に「自社製ムーブメントモデル」として高値だったことを考えると、立ち位置が随分変化したと感じます。