2010年頃までロレックスは、生産年が分かる仕様となっており、“P番=2000年製造”といった具合で年式が確認できました。
そして、それら生産年には、「高値」となる品番がいくつか存在。
特に、「最終品番」の価値が高く、デイトナ16520の「P番」や、GMTマスター2 16710の「M番」は高値といった傾向がありました。
16520のP番にしても、16710のM番にしても、最終品番ならではの“要素”が存在しており、16710の場合は、ムーブメントが異なるという違いがあるのです。
16710には、長年3185というムーブメントが採用されていましたが、Z番(2006年)の途中から、6桁世代に採用されている新しいムーブメントが搭載。
M番には、3186が搭載されているため、見た目は5桁なのに、中身は6桁世代という面白さが存在するといえます。
また、16710は2007年の途中に、後継モデルである116710LNにバトンタッチ。
ですから、2007年に生産された16710の数は少なく、何かと「レア」という印象が強いといえます。
これは、デイトナ16520のP番も同様で、2000年夏に116520へとバトンタッチされたため、P番の16520は数ヶ月という短い期間しか作られなかったわけです。
『最終品番、仕様違い、生産期間の短さ』という点が、M番の16710とP番の16520に共通しているといえ、どちらも以前から「高値」となっている傾向があります。
しかしながら、ここのところ16520には変化が生じている様子。かつて16520の中で“最終品番=新しい個体”が最も高値となっていたのに対し、近頃は“初期モデル=古い個体”のほうが高くなっているのです。
そして、“最終品番が以前ほど高くない”という現象は、GMTマスター2の16710にも起きている様子。
16710のM番は、約186万円で購入可能となっているのですが、現在水準はなんと2019年9月に対して約41万円安といった状態なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
|
|
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年9月 の安値 |
2025年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
ロレックス
GMTマスター2 16710 M番 |
中古 | 5年 9ヶ月 |
¥2,280,000 | ¥1,869,800 | -410,200 | 82.01% |
なお、筆者は2017年から記事で「M番の16710」を取り上げていますが、ベゼルの色は考慮せず、「M番の16710全体のボトム価格」という比較をしています。
2019年9月に取り上げた個体はコークベゼルだったのですが、今回は黒ベゼル。
ちなみに、通常の16710相場としては、コークと黒はほぼ同水準、ペプシが高値となっています。
そういったことからしても、現在の「M番」の評価は、分かりやすく下落しているといえます。
ちなみに、2017年2月時点でM番は約188万円といった水準に達していました。
ですから、M番の現在水準は2017年2月とほぼ同水準であるわけです。
2017年、2019年といった時期と比べると、16710全体の相場は上昇しています。
2017年6月時点の16710水準は約68万円、2019年4月時点では約102万円でした。(Z番、M番といった高値個体ではない相場)
そして、現在の16710水準は黒が約155万円、コークが163万円といった水準。
16710の通常個体を見ると、明らかに2017年、2019年よりも高値となっているわけです。
それに対して、M番は2019年水準よりも安価。さらには2017年2月水準と同じといった状態であります。
こういったことからして、M番は以前と比べると、随分安価(相対的に)となったと感じます。